【データで選出6月月間MVP】ソフトバンク・近藤が攻守にわたる活躍で断トツの総合貢献。中日・髙橋宏が山本と同等の投球
2023/07/10
産経新聞社、DELTA
帰ってきた山本と佐々木。その佐々木と同等の奪三振能力を発揮した平良
投手のWARは投球の質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出。それが何勝分に値するのか換算したものが投手のWARとなる。
投手部門でパ・リーグは山本由伸(オリックス)、セ・リーグでは髙橋宏斗(中日)がそれぞれ1.35、1.34とトップのWARを記録した。
先月は一時離脱したため、ランキング外となった山本と佐々木朗希(ロッテ)だが、6月はともにランクイン。特に山本は12球団トップの貢献を見せた。中でも特筆すべきは、リーグ平均が約8%となる与四球割合(与四球/打者)で、山本はなんと0.9%を記録。打者115人に対しわずか1四球しか与えていない。
佐々木は6月も持ち味の高い奪三振能力を見せた。リーグ平均が約20%となる奪三振割合割合(三振/打者)で、平均を大きく上回る35.9%を記録。その佐々木と同様のペースで三振を奪っていたのは、平良海馬(西武)だ。奪三振割合は32.4%。今季から先発に転向した平良だが、ここまで救援時代とほとんど変わらないペースで三振を奪い続けている。
セ・リーグでは総合貢献トップの髙橋宏斗の活躍が目立つ。奪三振割合は平均を大きく上回る30.8%を記録。さらに打球が前に飛ばされたとしてもその多くがゴロとなっていた。ゴロ割合は平均の約45%を大きく上回る63.7%。長打の可能性が低いゴロを打たせることで失点のリスクを軽減させている。総合貢献は山本と同等の値を記録。防御率0.61も納得である。一般的なスタッツだけではなく、セイバーメトリクスの観点から見ても、素晴らしい1ヶ月だった。
DELTA(@Deltagraphs)http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。
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