千葉ロッテマリーンズ、2016年戦力診断。弱点をカバーする文字通りの“補強”で、メモリアルイヤーに挑む
ベースボールチャンネルでは、2016年プロ野球開幕に向けて、各球団の補強動向を診断していく。日本一という目標に向かって、効果的な補強を行うことができた球団は? 今回は、伊東勤監督率いる千葉ロッテマリーンズだ。
2016/03/17
先発の枚数に目途。リリーフ陣は球界屈指
涌井・石川の2枚看板以外がなかなか決まらなかった昨年と比べると、オープン戦でも安定感をみせている昨年8勝の大嶺祐太と10勝のスタンリッジが頭数に入れられる今年は、先発陣の厚みも格段に増した。
まだまだ手薄なのは確かだが、5番手・6番手争いで頭ひとつ抜けた感のある高卒3年目の二木康太、復活を期すベテラン左腕・古谷拓哉のふたりを、イ・デウン、チェン・グァンユウ、唐川侑己らがピタリと張りついて追う展開となれば、それなりにコマはそろう。
他方、中継ぎ陣は、入団から連続50試合登板を更新中の5年目・益田直也、35HPの7年目・大谷智久、セーブ機会救援成功率100%の守護神・西野勇士が今年も健在。そこに、これまではひたすら怪我に泣かされてきた昨年終盤の“救世主”内竜也や、後半戦防御率0.00を誇った左腕・松永昂大、藤岡貴裕らが加わる布陣は、間違いなくリーグ屈指と言えるだろう。
ナバーロ復帰までセカンド、サードを任せるのは誰?
野手は、先にもふれた細谷、高濱、三木、中村らが、懸案事項のセカンド&サードのレギュラーを奪取できるかがポイント。ナバーロが1軍に合流した時点で、伊東監督がその起用法をめぐってうれしい悲鳴をあげるぐらいの活躍を彼らがみせているようなら、自ずと競争意識は高まり、相乗効果も期待できる。
一昨年に新人史上初の“オープン戦首位打者”&チーム64年ぶりの開幕4番に座った“アジャ”こと井上晴哉が、このオープン戦ではいつにも増して好調とあって、鈴木大地を中心とした若き内野陣で、チームをぜひとも盛りたてていってほしいところだ。
ちなみに、荻野貴司、岡田幸文、伊志嶺翔大ら、球界屈指のスピードスターを擁しながら、チーム盗塁数はリーグトップの日本ハムの半分強(71/5位)と、思いのほか少ないロッテにとっては、盗塁以外でも走力がモノを言う場面が間違いなく増えるコリジョンルールの導入は、かなりのプラス要素と言っていい。
清田育宏、アルフレド・デスパイネ、角中勝也のクリンナップに、ナバーロ&井上も加わり、長打力を増した打線が、その強みをどう活かしていくかにも注目したい。
いずれにしても、ナバーロ不在のなかで迎える開幕からの1カ月が、チームにとっても試金石。限られた戦力をやりくりしつつ、圧倒的な選手層の厚さで今年も独走しそうな気配の王者ソフトバンクとも比肩できているようなら、まかり間違ってのリーグ優勝も夢ではない。
開幕オーダー
打順 守備位置 選手
1 (二) 中村奨吾
2 (中) 荻野貴司
3 (右) 清田育宏
4 (指) アルフレド・デスパイネ
5 (左) 角中勝也
6 (一) 井上晴哉
7 (遊) 鈴木大地
8 (捕) 田村龍弘
9 (三) 高濱卓也
ベストオーダー
打順 守備位置 選手
1 (右) 清田育宏
2 (左) 角中勝也
3 (三) ヤマイコ・ナバーロ
4 (指) アルフレド・デスパイネ
5 (一) 井上晴哉
6 (遊) 鈴木大地
7 (二) 中村奨吾
8 (捕) 田村龍弘
9 (中) 荻野貴司
開幕ローテーション
1 涌井秀章
2 石川歩
3 ジェイソン・スタンリッジ
4 大嶺祐太
5 二木康太
6 古谷拓哉
抑 西野勇士
※ベストローテーションも同じ