【データで選出7月月間MVP】パ・野手1、2位は好調・楽天勢が独占。セ・投手ではバウアーがついにトップに
2023/08/08
産経新聞社、DELTA
中6日にとらわれないバウアーの「量」の貢献。それを上回る佐々木朗希の「質」
投手のWARは投球の質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出。それが何勝分に値するのか換算したものが投手のWARとなる。
投手部門でパ・リーグは佐々木朗希(ロッテ)、セ・リーグではトレバー・バウアー(DeNA)がそれぞれ1.46、1.26とトップのWARを記録した。
6月は山本由伸(オリックス)の後塵を拝した佐々木だが、7月は12球団トップに返り咲いている。奪三振割合(奪三振/打者)は平均の約20%の倍以上となる、43.6%を記録。ゴロ割合は平均の約45%を上回る69.0%と、打球が前に飛んだとしても約7割で長打のリスクが低いゴロになっていた。この内容の投手から得点を奪うのは至難の業だ。ランキング内では最も少ない21イニングながらも、「質」が圧倒的だった。
セ・リーグで質の良い投球を見せたのは今永昇太(DeNA)。わずか23イニングながらリーグ3位にランクインした。今永も佐々木レベルとはいかないが、奪三振割合は37.6%を記録。加えてリーグ平均が約8%となる与四球割合(与四球/打者)で、今永はなんと0.0%。打者85人に対し1つも四球を出していない。
彼らとは異なり、「量」の面で貢献を積み重ねたのがバウアーだ。突出している成績はないが、オールスターを挟みながらも5試合に先発し36.1イニングを消化。今永に比べると質より量で稼ぐことでセ・リーグトップの貢献となった。中6日にとらわれずに登板を増やしていることが、量の貢献につながっている。
DELTA(@Deltagraphs)http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。
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