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カープ・新井、2000本安打だけにあらず。金本・緒方両監督のキツいエールに込められた、長距離砲復活への期待

広島の新井貴浩にとって、今季は残り29本となった2000本安打達成が大きな目標だ。そして、長距離砲としての復活を誓う。

2016/03/20

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厳しいエールの込められた期待感

 新井は、天性のイジられキャラだ。全盛期を知る監督たちの厳しいエールも原動力のはずだ。
 
 3月14日にパシフィコ横浜でセパ両リーグの全監督が参加して行われた「セ・リーグ ファンミーティング 2016」でのこと。阪神の金本知憲監督が広島の要注意選手としてブラッド・エルドレットの名を挙げた。ここで同じ壇上にいた緒方監督から何かをつぶやかれると、ニヤッと笑いながら「新井? まだやってる? 現役ですか?」。
 
 招待されたファン、そして12球団の監督を含め会場は大爆笑に包まれた。当日の一部始終はCSでも放送されたので、テレビを見ながら思わず笑ってしまった人も多いだろう。
 
 いまさら説明するまでもないことだが、金本監督は広島、そして阪神で苦楽をともにした新井の兄貴分。立て続けに「ボク知らなかったので」と、きつい冗談を浴びせた虎の指揮官の意図はわかっている。
 
 厳密に言えば、新井は敵であって自軍との対戦では活躍してほしくないと思っているだろう。それでも可愛い後輩には、何とかもう一花咲かせてもらいたいと心から願っているのだ。「一心不乱」「猪突猛進」。そういうフレーズがピッタリで何となく憎めない存在であるからこそ、金本監督はあえてキツいジョークで猛奮起を促したのである。
 
 そう言えば、オープン戦2号を放った16日の日本ハム戦後にも緒方監督はその新井について「いい働きをしてくれている。まあ4番はないかもしれんけどね」とコメントし、取り囲んでいた報道陣を笑わせたというエピソードが複数のメディアで報じられていた。
 
 きっと当の本人は勝手知ったる両先輩の狙い通り、見返してやろうと凄まじい闘争心をメラメラ燃やし続けているに違いない。

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