オリックスに見える『一体感とビジョン』――西野、小田、赤間らドラフト下位選手が戦力になる理由
オリックスのキャンプ地が宮古島から宮崎に移転したが一・二軍の球場が隣接しファンにとっても現場にとっても環境は申し分ない。また一体感はハード面だけにとどまらない。
2016/03/23
キャンプ移転の効果
CS放送を中心に、多くのプロ球団の春季キャンプがテレビ中継されるようになった。現地取材と合わせ、全12球団の練習内容や選手の動きを見ることができるようになった今春、最もいいキャンプを行ったと感じたのはオリックスだ。
1993年からキャンプを張り、96年の日本一の記念碑も建つ宮古島市民球場から、一軍が2014年、二軍も翌15年限りで撤退。今年から一、二軍とも宮崎県宮崎市の清武総合運動公園でキャンプを実施するようになった。一軍のSOKKENスタジアムと二軍の第2球場が隣接し、広い室内練習場や多目的グラウンドも併設された施設は、ファンが見学し、メディアが取材する部分でも充実しており、選手にとっても、見る側にとっても申し分のない環境である。
「気候や気温の面では沖縄に譲る部分もありますけど、それを差し引いても素晴らしい環境です」
そんな選手や球団関係者の声を反映するように、活気ある練習が続けられた。ある球団関係者は、キャンプ地移転のプラス効果をこう語る。
「宮崎というのは、長く巨人のキャンプ地として知られ、2004年からは福岡ソフトバンクもキャンプをしています。そこに足を運び、強いチームのキャンプを知っているファンに見ていただくことで、独特の緊張感が生まれています。また、少し野球からは外れるかもしれませんが、ジャイアンツやホークスの勝ち運を、我々のキャンプ地にもファンが運んできてくれる気がしています(笑)」