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オリックスに見える『一体感とビジョン』――西野、小田、赤間らドラフト下位選手が戦力になる理由

オリックスのキャンプ地が宮古島から宮崎に移転したが一・二軍の球場が隣接しファンにとっても現場にとっても環境は申し分ない。また一体感はハード面だけにとどまらない。

2016/03/23

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現場とフロントの一体感が形に

 グラウンドに目を移せば、金子千尋や糸井嘉男らペナントレースに向けた調整を本人に任されている選手もいるが、大半がレギュラーや一軍定着を目指している立場ゆえ、あらゆるシーンで火花が散り、目の色を変えた選手がレベルアップに励んでいる。その様子を俯瞰している福良淳一監督も、実はオリックス球団28年目にして初の生え抜き指揮官であり、田口壮二軍監督とともに「強いオリックスを再建しよう」と骨のあるチーム作りに腐心している。
 
 そうした現場の意気込みに、球団フロントもサポートを惜しまない。戦力補強のポイントを明確にし、ドラフト指名された有望株を“獲りっ放し”にすることなく、計画的な育成プランによって力をつけさせようとしている。昨年はドラフト7位の西野真弘や同8位の小田裕也が持てる力を存分に発揮し、今年もドラフト9位の赤間 謙が注目すべきパフォーマンスを見せているのも必然なのだ。
 
 その一方で、2年目の髙木 伴は早くも投球フォームをサイドハンドに変えているが、これも入団当初からのプランに基づいたものである。同じように、変則フォームに変えた3年目の左腕・大山暁史が目立つ働きを見せていることからも、選手一人ひとりを大切にした育成・強化が実行されているのがわかる。加えて、アマチュア球界も含めて敏腕と言われるトレーナーと新たに契約し、選手のコンディション管理や故障の防止に最善を尽くしているのも見逃せない。
 
 春季キャンプ、オープン戦を通じて今季のペナントレースの行方を占う際は、どうしてもレギュラーの安定感や新戦力の可能性ばかりに目が行きがちだ。しかし、現場とフロントが一体になっているか、チームがどこを目指しているかに注目することでも、その球団の戦いをイメージすることはできる。
 
 勝負の世界は、前向きな取り組みが必ずしも成果につながるとは限らない。ましてや、正しい努力が実を結ぶのにも一定の時間が必要だ。それでも、オリックスには近い将来の躍進が想像できるし、それが今季であっても何の不思議もないという印象を抱いた。

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