唯一毎月2勝以上を達成 際立つ金子千尋の安定感【2014年タイトルホルダー 最多勝編】
2014年の最多勝のタイトルに輝いたのはパリーグはオリックスの金子千尋。セリーグは阪神のメッセンジャーと中日の山井だった。特にセリーグは大混戦。最多勝を争ったセリーグのエースの月別の数字らと比較してみても、金子の安定感が際立っている。
2014/11/12
夏場に本領を発揮したオリックスのエース
パリーグの最多勝は16勝で金子千尋が獲得した。最優秀防御率との二冠。満場一致で沢村賞にも選出された。
今や日本球界を代表するエースであり、安定した投球がなによりも身上。4月18日以降、防御率は1点台を割ることなく、シーズン通算1.98。QS84.6%、1イニングに出す走者の平均は1.04だった。
今季の金子は尻上がりに勝ち星を伸ばしてきた。序盤は好投しても打線の援護に恵まれない登板がたびたびあった。
3・4月から6月までの3カ月は月間2勝。この期間、同僚の西勇樹が開幕から8連勝をマークしていたこともあり、勝ち星を見る限り物足りなさが感じられた。
5月は防御率1.13ながら、援護率も1.76しかなく、5月31日の巨人戦では9回無安打、11奪三振ながら同点で降板し勝ち星がつかない不運もあった。
しかし西や岸孝之、則本昂大らライバルたちが中盤から夏場にかけて勝てない時期があったのに対し、金子は6月12日以降、2試合続けて勝ち星がつかないことはなかった。8月28日に12勝をマーク、西に並ぶと、9月は1完封を含む4勝。惜しくも優勝は逃したものの、優勝を争う負けられない戦いの中で、エースらしい投球を見せた。
右ヒジに故障を抱え、故障がちだったこともあり、2年続けて15勝以上をマークしたのは自身初。昨シーズンと比べて勝ち星以外も落ち込むことはなく、ほぼ一定の数字をキープ。安定した投球をしていたことを物語る。