年間指定席継続率99%。今季も開幕前からチケット販売が好調の理由【経営学から見たカープ】
今季も広島東洋カープのチケット販売が好調だ。すでに昨年の総観客動員数の約6割以上がすでに売れている。
2016/03/24
年間指定席は昨年末に完売
今季、開幕前からカープの好調は止まらない。
開幕前になぜ?と思われるかもしれないが、チケット販売のことである。その特質すべき数字として、年間指定席約8300席が昨年の12月24日で完売。
この詳細をみると、昨季の購入者の99%が継続。新規の売り出しのないまま、2シーズン連続完売し、継続されなかった席は昨季までの継続購入者の増席である。この年間指定席は1番高額のバックネット裏のロイヤルボックスで36万7500円。安い席でも約10万円はする。決して安くない買い物である。
さらにいうと、昨季のチーム成績は4位。前田健太もメジャーリーグへ移籍。チームとしてはマイナスのイメージが強い。しかし、なぜこのように好調なのか?球団職員へのインタビューも含めて分析したい。
現在、プロ野球のチケット戦略としては、パリーグが先進的だと言われている。プロ野球再編問題から、IT企業などを母体とした新規参入の球団が入り、次々と色々なチケット戦略が練られた。
これは、自社の強みとしたWEBのコンテンツやマーケティング力を活かし、顧客のニーズにしっかりと応えるものを作り上げた。
例えば、サラリーマンをターゲットとした平日のナイターで午後7時30分以降は半額で入場できる730チケットなどがそうである。また、ファンクラブも階層を作り、優先的にチケットが予約でき、球場内で使えるポイント制度なども活気的である。
そのような新たなアイデアで、入場者も増やしてきた。
しかし、カープ年間指定席の99%継続というのは驚異的な数字ではないか。プロスポーツ球団の年間指定席セールスは非常に重要である。特に放送権料が少なくなる地方球団にとっては、この席の販売数で、安定的な経営ができるかどうかが決まる。