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年間指定席継続率99%。今季も開幕前からチケット販売が好調の理由【経営学から見たカープ】

今季も広島東洋カープのチケット販売が好調だ。すでに昨年の総観客動員数の約6割以上がすでに売れている。

2016/03/24

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なぜカープのチケットは売れるのか?

 世界的な人気を誇るニューヨークヤンキースも2009年に開場した新ヤンキースタジアムのあまりにも高額なチケットの金額設定をしてしまい、初年度の年間指定席が埋まらなかった。それだけ、年間指定席のセールスは難しい。
 
 その中で、年間指定席を完売させているカープを分析すると、付加価値の創造と独自のチケット戦略ではないかと考える。そこでチケット販売好調の理由について、広島東洋カープに直接取材を申し込んだ。
 
 取材に応じてくださった、広島東洋カープ入場券部長の島井誠氏はこう分析している。
 
「理由として二つ考えられます。一つはチケットのプレミア化。そして、もう一つは『カープ』というチームの日常的なコミュニケーションツールとしての広がりです。プレミア化は昨シーズンのチケットが取れないという状況が、年間指定席購入者の継続率を高めたと考えます。
 
 これまでは、チケットが簡単にとれると思われていました。現在は年間指定席を購入しないとチケットの入手が困難な日がある状況。もちろん、年間すべての試合を観戦できるわけではないですから、友人知人とシェアをするチケットシェアリングのようなスタイルも出てきていると思います。そのくらいチケットが争奪戦になっています。
 
 そして、このプレミア化につながったのが、コミュニケーションツールとしての広がりだと思います。今年は昨年と比べて、優勝への期待感や黒田効果もなかった。逆に前田健太の移籍などマイナス要因が大きかった。しかし、継続率が高かったのは、これまでのコアな野球ファンだけでなく、若い女性をはじめとした様々な世代がカープを職場や家庭などで話のネタにしてくれています。実際に観戦者の世代に偏りがなく、全世代で購入が伸びています。広島ではカープのことを知らないと周りの話題についていけないという状況が強くなっていることが、このチケット好調の根本にあると思います」
 
 現在、年間指定席が売れた後も、年間を通じてチケットを購入するファンが後を絶たなく、昨年の総観客動員数の約6割以上がすでに売れている。

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