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最後の大仕事、妥協なき徹底主義は実を結ぶか――緒方孝市新監督の「覚悟」

2014年、カープはシーズン最後の最後に3位となり、クライマックスシリーズファーストステージで敗退となった。この悔しさを2015年に――。復活の礎を築いた野村謙二郎監督は退任。来季から今季まで野手総合コーチを務めた緒方孝市氏が監督に就任する。野村前監督同様、カープ生え抜きの若き新監督にファンも期待を込める。

2014/11/14

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カープを知り尽くした男は、どうチームを上積みできるか?

 秋季キャンプ初日、緒方監督が最初に向かったのは、ブルペンであった。この日は全17投手がブルペン入り。キャッチャーの後方に陣取ること2時間以上、投手陣の気迫に指揮官は熱い眼差しで応えた。

 そういえば、同じような行動をした監督がいた。彼が入団会見で、理想の監督像という質問で名前を挙げた三村敏之氏(故人)であった。

 三村の監督時代の口癖は「ピッチャーのことはわからん」だった。カープV1の名内野手は、もちろん、野球をトータルで把握しながらも、突き詰めた次元では投手のことが理解しきれなかったという。だからこそ、三村は、キャンプではブルペンで長い時間を過ごした。指導はコーチに一任していたが、その眼差しで、投手陣を懸命に理解しようと務めた。

「これが自分にとって最後の大仕事だと思い、信念を持って、誠心誠意、そして、この監督業を全うしていきたいと思います」。

 入団会見での言葉から、誰もが、新監督の「覚悟」を痛烈に感じた。猛練習、機動力、先人たちからの学び……。
 身長181センチ、45歳になっても現役時代と変わらないシルエットを保っている。その体には「カープの歴史」が詰まっている。そして、新監督は23年優勝から遠ざかる「カープの歴史」を変えるべく、そのすべてを捧げる。

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