「打率3割」を公言、“オープン戦首位打者”千葉ロッテ・鈴木大地のキャプテンシー。得意・大谷打ちで開幕ダッシュへ【ほぼ月刊マリーンズ#13】
いよいよ開幕するプロ野球。今回のマリーンズコラムは、打率.400で“オープン戦首位打者”を獲得した若きチームリーダー、鈴木大地をフィーチャー。目下、攻守にわたってチームを引っぱる男の、今季に賭ける並々ならぬ熱き想いをお届けしたい。
2016/03/25
誰もが認める不動のチームリーダーへ
かくして、そうしたプレッシャーを力に変えて、当の鈴木は結果を出した。しょせん、オープン戦。されど、オープン戦。公式戦さながらの緊張感のなかで数字を残したという目に見える手ごたえは、彼のなかにあった「自信」を、そのさらに上の「確信」へと変えただろう。
「入団したときは、西岡（剛）さんがいなくなったあとで、みんなから『がんばれ』って言ってもらえたし、スタメンで出はじめたときも、初めてキャプテンになったときも、これまでの僕はいつも無条件に応援してもらえる立場にいたと思うんです。それが今年は大河が入ってきたことで、ヘンな意味じゃなく“ヒール”っていうか、そういう立ち位置に初めてなってね（笑）。焦ってるわけでは全然ないけど、きっちり結果で示して、『やっぱり大地はスゴかったんだな』って思わせたいって気持ちが、いつも以上に強いんです」
いまでこそ、誰より実戦経験豊富な不動のレギュラーとして活躍する彼も、入団当初には、藤岡貴裕、中後悠平、益田直也の同期3人が1軍で活躍するなか、唯一ファームに取り残されるという悔しさも味わった。ファン目線からしても、“ドラフトの目玉”だった藤岡らに比べれば、地味な印象が否めなかったのは事実だろう。
だが、それでも、3年間ほぼフル出場を続けて積みあげてきた信頼はダテじゃない。清田育宏ら年長の主力選手までもが「大地に任せておけば安心」と口をそろえる彼のキャプテンシーは、いまやそれだけを取ってもチームに欠かすことのできない“戦力”だと言っていい。
「肩書きだけじゃなく成績も残したい。いや、残しますよ」
そう力強く宣言してくれた彼をして「特別」だという開幕戦の相手は、他のバッターが軒並み打ちあぐねるなかで、昨季8打数5安打とカモにした大谷翔平。名実ともに“ひと味違う”チームリーダーが、移転25年にして初の開幕満員札止めとなったマリンで、その真価を発揮する──。