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「足は速かったが非力で小柄。まさかプロに行くとは」恩師が明かす、巨人・重信慎之介の中学時代

開幕一軍を手にしたドラフト2位ルーキー・重信慎之介。一体どのような少年だったのだろうか。

2016/04/06

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高木遊



昔からの努力家

 3月19日、楽天とのオープン戦後、3打数無安打に終わった巨人のドラフト2位ルーキー・重信慎之介外野手は、岡本和真内野手とともにマシン打撃を繰り返したという。
 それと同じ光景は、今から8年から10年前の、佐倉リトルシニアグラウンドでも、よく見受けられていた。

「やっぱり努力家でしたよ。お父さんも野球が好きでね。打てない選手だったので、試合や練習の後、お父さんとここでよく練習していましたよ」

 そう当時の重信を懐かしむのは、佐倉リトルシニアを率いる松井進監督だ。

 長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督を生んだ千葉県佐倉市に、両翼92メートル、中堅122メートルのメイングラウンドをはじめ、サブグラウンド、室内練習場、合宿所など充実の施設を構える佐倉リトルシニア。
 リトルシニアの全国大会を3度制し、ボーイズリーグなど他連盟強豪とも凌ぎを削るジャイアンツカップ(全日本中学野球選手権大会)では2度の中学硬式野球日本一に輝くなど全国屈指の名門チームだ。

 そこに重信が入団してきたのは、2006年のこと。重信のいとこが同チームに在籍していたことがきっかけだった。4月生まれではあるが、成長の遅い小柄な少年だったという。

「足は速かったですけど、まあ体が小さくて非力でね。まさかプロに行くとは思いませんでしたよ」

 松井監督はそうしみじみと振り返る。
 当時は、同学年に宮内和也内野手(習志野高→明治大→NTT東日本)や原田直道外野手(慶應義塾高→慶應義塾大)ら好選手が多く、重信はレギュラーでこそあったものの、打順は2番・サードで決して目立つタイプではなかったという。

 松井監督は「身長もなかなか160センチを超えなくて、ヒットもセーフティーバントの印象しかないんですよ。ようやく活躍し始めたのは(最後の夏の)ジャイアンツカップくらいではないでしょうか」と笑う。

 このジャイアンツカップで重信たちは、3位入賞に輝いている。だが、決勝戦の舞台である東京ドームにはあと一歩でたどり着けなかった。

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