「足は速かったが非力で小柄。まさかプロに行くとは」恩師が明かす、巨人・重信慎之介の中学時代
開幕一軍を手にしたドラフト2位ルーキー・重信慎之介。一体どのような少年だったのだろうか。
2016/04/06
高木遊
走塁が磨かれた中学時代
「やっぱり足の速い子ですね。そういう子が、高校で体ができてくると伸びてきますよ」
1992年に自らチームを創設し、監督25年目となる松井監督は、高校以降で伸びる選手の特徴を聞くと、そう答えた。
そのために、佐倉リトルシニアが行っているのが、短距離の「下り坂ダッシュ」だ。陸上経験者のトレーニングコーチが発案したというこのメニューを、1回の練習で30本から50本はゆうに行うことにより、広いストライドとバランス感覚がついていくのだという。
また積極果敢な走塁の重要性を松井監督は説く。シングルヒットで外野手がバックホームをした際には、よほどのことがない限り打者走者は二塁への進塁を目指す。
この姿勢がない時は「かなり文句を言いますよ。イヤなことを言われないと覚えないですから」と松井監督。こうしたことは、走者をつけたノックや練習試合から常に意識させているといい、重信の今の姿に繋がる部分は大きい。
そして、明るく誠実な姿勢も中学時代から変わらない。
「キャンプに入る前にも2、3回ここに来てくれましてね。人柄は変わらないけど、体は大きくなったなあって思いましたよ」と松井監督は目を細める。「勝負はここから。後輩の励みにもなりますから、ぜひ頑張って欲しいです」と期待を託した。
恩師や、自らの背中を追う野球少年の期待を背に受け、重信はプロ野球のスタートラインに立つ。