開幕連勝スタートの巨人。長年の弱点を埋めたクルーズの存在価値【死亡遊戯コラム】
今季から巨人でプレーするクルーズが開幕から早速存在感を示している。
2016/03/27
開幕からエンジン全開
東京ドームが大歓声に包まれる。
本拠地で前年度覇者のヤクルト相手に連勝スタート。
その中心で活躍するのが今季からチームに加入したクルーズだ。
2試合で打率.667、1本塁打、3打点の固め打ち。
初戦では二塁守備で先制点を阻止する好返球を見せ、2戦目は一塁走者として亀井の二塁打で激走し先制のホームを踏んだ。
走攻守で存在感を発揮する背番号11。
もちろん開幕から好調の要因はキャンプから続いたチーム内の外国人枠争いの好影響もあるのだろう。
今季、巨人には7名の助っ人選手(育成選手も含めると9名)が在籍。
結果的にマイコラスやアンダーソンは怪我で出遅れてしまったが、1軍枠を巡るシビアな競争があった。
「ウチにはサイドバックだけで7人くらいいるので」
以前、セリエAインテル所属の長友佑都はテレビのインタビューでそう答えていた。
イタリアを代表するサッカークラブの外国人選手、求められるのは結果のみ。
ダメならすぐ外される。だから常に危機感を持っているのだと。
これがビッグクラブで生きる男たちの宿命である。
そして、この二・三・遊と守れるクルーズの存在は長年のチームの弱点を解消しつつある。
原巨人時代の問題点のひとつは、坂本勇人と片岡治大のどちらかがスタメンから落ちると途端にチーム力がダウンすることだった。
坂本は、08年に19歳でショートのレギュラーに定着以来、毎年ほぼ全試合にフル出場。
片岡は昨季自身5年ぶりの2ケタ本塁打に21盗塁と存在感を発揮。
15年、球界で「2ケタ本塁打・20盗塁以上」をクリアしたのは山田哲人・柳田悠岐・梶谷隆幸、そして片岡のたった4名のみ。
この攻撃面に加えて片岡と坂本がコンビを組む二遊間の守備範囲の広さは、巨人の代えが効かないストロングポイントだった。