【データで選出8月月間MVP】月間防御率0.00の山本由伸がまさかのランク外。バウアーは2ヶ月連続のリーグトップ
2023/09/07
産経新聞社、DELTA
中4日バウアーのあまりにも圧倒的なイニング消化能力
投手のWARは投球の質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出。それが何勝分に値するのか換算したものが投手のWARとなる。
投手部門でパ・リーグは宮城大弥(オリックス)、セ・リーグではトレバー・バウアー(DeNA)がそれぞれ1.34、1.12とトップのWARを記録した。
8月は山本由伸(オリックス)が防御率0.00とインパクトのある数字を残している。しかし本企画ではパ・リーグ5指の中にも入っていない。8月の山本は実は奪三振や与四球など投球内容が、山本にしては平凡なものだった。自責点は0だったが、もっと点をとられてもおかしくない投球だったとセイバーメトリクスの考え方では評価する。
かわりにパ・リーグでは同じオリックスの宮城大弥がトップとなっている。宮城はリーグ平均が20%弱となる奪三振割合(奪三振/打者)で23.0%、平均が8%ほどとなる与四球割合(与四球/打者)で5.2%と、ともに優れた数字を残した。これらはいずれも山本よりも優れている。また8月は5先発と、ほかの投手よりも多くの登板機会を得たこともトップ貢献につながった。
その宮城の5登板以上に先発を重ねたのがバウアーだ。8月も中4日での登板を繰り返し、なんと1ヶ月で43イニングを消化。投球内容が他投手に比べ抜群に優れていたわけではなかったが、他を圧倒する稼働量でトップをつかんだ。
DELTA(@Deltagraphs)http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。
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