【月曜コラム】「去年は去年、今年は今年」2016年版、秋山翔吾を象徴する2打席連続の四球
昨年NPBシーズン最多安打記録を更新したライオンズの秋山翔吾。今シーズンは昨年の成績がフロックではなかったことを証明する1年になる。
2016/03/28
前向きにシーズンに臨む
開幕戦で迎えるシーズン最初の打席は、すべての打者にとって特別な意味がある。とりわけ周囲から大きな注目を浴びるのが、1番打者だ。
埼玉西武ライオンズの秋山翔吾は、3月25日、オリックスのエース・金子千尋とのシーズン初対戦を2時間後に控え、素直な心境を吐露した。
「チームで最初に打席に立つし、特に今日は1試合目にチームが入っていく中で手も足も出ないような凡退の仕方だと自分も見ている人たちも不安になります。打てなくてもやられ方があると思うし、打てたら打てたで自分の仕事ができたという納得があると思う」
そう明かした秋山は、打席に向かうまでの空想をやめて一呼吸入れた。
「(報道陣から)あまりプレッシャーをかけられると、あれなので(笑)。(打席に)立ってみてだと思いますけど、そういう気持ちではいますね。あまり後ろ向きにならず、前向きに行きたいと思います」
昨季はプロ野球記録となる216本のヒットを積み重ねる過程で、周囲からの期待が大きくなるにつれて自身にのしかかるプレッシャーが日に日に高まっていった。その注目はシーズンオフになってもまるで衰えず、取材が殺到したまま2016年の開幕を迎えている。
果たして、秋山は前年と同じような活躍を見せることができるだろうか。
「プレッシャーを乗り越えて1年やることの意味や達成感っていうのは、シーズンが終わってからあると思いますね。結果が残れば、ですけど。それを乗り越えられないと、ずっと一軍で活躍している人たちには追いつけないと思う。そういう意味では、(昨年から)いい一歩目だったと思います」
今年活躍できなければ、昨季の好成績がフロックだと言われかねない。だが、昨年を意識しすぎると現在の自分を見失う可能性がある。
2016年バージョンの秋山翔吾を、いかにつくっていけるか。それを占ううえで、開幕戦の1打席目は大きな注目を集めた。
結果、2ボール、2ストライクから2球選んでフォアボール。1番打者として上々の仕事だった。
続く2打席目は0対0の3回2死に回ってきて、2球で2ストライクに追い込まれたところから2打席連続の四球を選んでいる。
「前半にフォアボールをふたつとったので、最悪、このまま終わってもしょうがないかな、金子さんだしって思っていました。ただ、何とか粘っていくことは考えていました」