4月末で貯金5以上のチームは「CS進出当確」。非常に重要な開幕ダッシュ【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は「開幕ダッシュ」だ。
2016/03/30
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開幕ダッシュの重要性
2016年シーズンが開幕した。12球団ともにスタートダッシュを狙っている。
半年に及ぶ長いペナントレースにおいて、実は開幕直後の3、4月の戦いは非常に重要となる。早い時期に貯金を蓄え、優位に立つことで選手起用や作戦も変わってくるからだ。
余裕を持って、若手を起用したり、思い切った作戦も立てることができる。
もちろん、開幕ダッシュに成功したとしても終盤に失速するパターンもあり、優勝が約束されたわけではない。
過去3年間の3、4月のチーム、個人成績を振り返ってみたい。赤字はリーグ1位。
2013年は西武、巨人が開幕ダッシュ
2013年のパ・リーグからだ。
西武が唯一貯金9、開幕ダッシュに成功した。打線では栗山が勝負強い打撃を見せた。ヘルマン、秋山らが出塁して打点を稼いでいた。それ以上に牧田、3年目の菊池、野上の3先発で9勝1敗。
このまま独走するかに思えたが、5月は月間で負け越し。一方同月の楽天は16勝7敗と大躍進。シーズンを通じて田中将大が驚異的な活躍、新外国人のマギーとアンドリュー・ジョーンズらがチームをけん引し、創設9年目にして初優勝を飾る。
次に2013年のセ・リーグだ。
巨人が18勝8敗と開幕ダッシュに成功し、一気に他5球団を突き放した。最終的には12.5差に広げての優勝。
投打のランキングを見れば一目瞭然。巨人は投打に好調な選手が揃っていた。