4月末で貯金5以上のチームは「CS進出当確」。非常に重要な開幕ダッシュ【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は「開幕ダッシュ」だ。
2016/03/30
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セリーグは開幕ダッシュに成功したチームはなし
最後に2015年。まずはパ・リーグだ。
日本ハムが開幕ダッシュ。3年目の大谷翔平が5試合で5勝。吉川も3勝。中田翔がトップの8本塁打。若い力で飛び出した。しかし、巨大戦力を誇るソフトバンクが5月以降地力を発揮し一気に貯金を量産。日本ハムも10月を除き負け越した月はなかったが、簡単に追い抜かれてしまった。
打率では秋山と柳田が4月時点ですでに飛び抜けていた。2人は9月まで高打率をキープし、デッドヒートを繰り広げた。
2015年のセ・リーグだ。
混セを象徴するかのように開幕ダッシュに成功したチームはなかった。そんな中、前年5位のDeNA打線が好調だった。巨人は投手力が充実していた。
夏場以降も飛び出したチームはおらず、そのまま終盤を迎えた。結局強力打撃陣とリリーフ陣を擁するヤクルトが14年ぶりに優勝を果たした。
過去3年間、クライマックスシリーズ進出チームの共通点
過去3年間、セパあわせて貯金5つ以上で4月を終えたのは8球団。最終成績は優勝が3球団、2位が4球団。3位が1球団。
つまり4月終了時点で貯金が5以上あれば、クライマックスシリーズ進出は「当確」と言ってよいだろう。
ちなみにパ・リーグはここ2年、開幕ダッシュに成功チームを戦力で勝るソフトバンクが5月以降に追撃して抜き去るパターンになっている。
ペナントレースを面白くするためにも、今季も他5球団の開幕スタートダッシュに期待したい。
セ・リーグは昨年は団子レースだった。今年4月末の時点で、貯金5以上のチームが出てくればそのチームを軸にペナントレースは推移すると思われる。
どのチームが開幕ダッシュに成功するか、注目したい。