ロッテ・平沢大河の現在位置。オコエの活躍を刺激に「自分の形をつくって、必ず結果を出す」【マリーンズ浦和ファーム通信#15】
2015年ドラフト1位でロッテに入団した平沢大河。春季キャンプから一軍に帯同し、常にメディアの注目の的だった。目標としていた開幕一軍は果たせなかったが、気持ちを切り替えて先を見据えている。
2016/04/01
千葉ロッテマリーンズ
開幕一軍ならず
3月25日。ドラフト1位ルーキーの平沢大河内野手は、ロッテ浦和球場のウェート場にいた。18時30分。備え付けられているテレビではQVCマリンフィールドで行われているファイターズとの開幕戦の模様が映し出された。昨年12月の入団会見から目標にしていた「開幕一軍」は、ならなかった。悔しい気持ちがないといえば嘘になる。様々な感情が入り混じる中で、ナイターを観ながら黙々とウェートメニューをこなしていた。
「もちろん悔しい気持ちがあります。ただ、今のままでは駄目なのは自分が一番わかっているつもりです。一日でも早く一軍の舞台に立ちたいとは思いますが、今はまず、しっかりと土台作りをして、自分の形というものを作って一軍に上がり、結果を出したいと考えています。それが次の目標。その目標に向かって気持ちを切り替えて頑張っています」
今、ロッテ浦和の二軍球場で鍛錬の日々を続ける平沢の表情は明るい。前を向いて日々の課題に取り組む姿がある。二軍首脳陣の評価も上々だ。
振り返ると、新人合同自主トレ、キャンプ、オープン戦と注目を一身に浴びた。マスコミからは楽天に入団をしたオコエ瑠偉外野手と比較される報道が続いた。ファンからも声援は誰よりも大きかった。その中で自身が掲げた開幕一軍という目標に向かってガムシャラにバットを振り続けた。疲れはキャンプ第3クールにはピークを迎えた。
「体が重かった。疲れがたまっていましたけど、気合で元気を出しました」
表情には一切出さなかった。疲れを吹き飛ばすように、元気を出してアピールを続けた。目標を決めたからには決して弱音を吐きたくはなかった。しかし、初めてのプロ野球の環境でのハイレベルな争いの日々に、徐々に置いていかれそうになる自分がいた。「薄々、自分でも感じるものがあった」と本人も覚悟をしていた。3月13日のオリックスとのオープン戦後、二軍行きを命じられた。ただ、自分自身の現在位置をしっかりと見極めている若者はすぐに気持ちを切り替えることができた。