平田良介は一番凄い外野手? RFから見える外野手の守備力【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。第18回目は、プロ野球選手の守備力についてだ。
2014/11/15
パリーグは秋山、陽。セリーグは平田の数値が素晴らしい
パリーグで、規定出場試合数(96試合)以上の外野手のRFのランキングだ。刺殺は外野手の場合フライの捕球数、補殺は塁に送球してアウトにした数となる。
今年は出場試合数がやや減ったが、昨年ゴールデングラブ賞を受賞した西武の秋山の守備範囲は今年も広かったことがわかる。
陽岱鋼は、札幌ドームの広い中堅の守備範囲を縦横に駆け抜けている。
この二人が飛びぬけている。
柳田は今年144試合すべてで中堅を守った。RFは秋山、陽、栗山より下だが、今季ゴールデングラブ賞に選出された理由としては、フル出場も評価に加味されたと思われる。
今年、6回目のゴールデングラブ賞を受賞した糸井は、日本ハム時代から守備の名手として知られている。
判断力の良さや、総合的な見地からすればゴールデングラブ賞の選出は妥当だろう。しかし近年は、守備範囲が狭まってきているのも事実だ。
補殺数では栗山と岡島が1位。これは強肩であることを意味するデータだ。
セリーグを見ていこう。同様に規定出場試合数(96試合)以上の外野手のRFのランキングだ。刺殺は外野手の場合フライの捕球数で、補殺は塁に送球してアウトにした数となる。
平田良介が抜群の数字。RF2.41は素晴らしい。
平田はこれまで全試合出場したことがない。
今年も25試合を欠場したが、それでも捕殺は1位の9つを記録している。
落合博満GMは監督時代、平田の守備を「一番うまい」と評価していた。その能力が存分に発揮されている。
しかしゴールデングラブ賞は僚友の大島に奪われてしまった。
盗塁王を初受賞した梶谷の守備範囲も広い。来年以降、ゴールデングラブの有力候補になるだろう。
丸は試合を見ていると打球の落下点に入るのがうまいように思える。スーパーキャッチは少ないものの、玄人好みのする外野手だ。
対照的に大和は何度もダイビングキャッチでチームを救った。その印象が、ゴールデングラブ賞に結びついたのではないか。
守備成績には、そのチームの投手の傾向(フライを打たせる投手が多いか、ゴロを打たせる投手が多いか)や、グランドの広さなどもかかわってくる。
一概には言えないのだが、少なくともRFランキングの上位には、足が速くてアウトをたくさん取る外野手が並んでいるとは言えよう。
試合を観戦するときに、参考にしてはどうだろうか。