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DeNA投手陣に必要な先発、リリーフの柱【野村弘樹の眼】

12球団で唯一、クライマックスシリーズ進出を果たせていないのが横浜DeNAベイスターズ。開幕から数試合を消化したが、OBの野村弘樹氏の眼にはどのように映っているのか。まずは投手編だ。 (元横浜ベイスターズ・野村弘樹氏 トークショー&サイン会の内容の一部を編集)

2016/04/04

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山口の巻き返しに期待、井納は内角への攻めを評価

 今シーズンの横浜DeNAベイスターズにあってまず気になるのは、昨年思うように機能しなかった投手陣である。OBの野村弘樹氏に最初、開幕投手の井納翔一について尋ねてみると、それを遮るようにある投手の名前を挙げ語り出した。

「私はチームのカギを握っているのは山口俊だと思っているんです。ラミレス監督に開幕投手に指名され、本人もキャンプから目の色を変え練習していました。昨年の成績(3勝6敗)を考えれば、開幕投手への指名は冒険であると言ってもいい。しかしそれは首脳陣からの“やってもらわなければ困る”といった期待の表れです。本人もそれを自覚していたし、アクシデントとはいえ登板を見送るカタチになってしまったのは残念でありません。今後いかに巻き返していくのか。山口には、二ケタはもちろん15勝ぐらいしてもらわないとチームは上位に食い込めないのは明らかです。頑張ってもらわないといけませんね。
 結果論ではありますが、開幕戦は井納がいいピッチングをしてくれました。誰もが緊張する開幕戦で性格が出たというか、ひょうひょうと自分の持ち味を出して7イニングを失点0で投げ切った。彼は一昨年の途中から考え過ぎてしまったことで腕が振れなくなりボール球が増え、勝てなくなってしまった。開幕戦の井納は、考えすぎることなくピッチングに集中したことで良さが出ましたね。
 感心したのは、追い込んでから首を振ってインコースのストレートを投げ込んでいたこと。チームのコンセプトである“内角への攻め”を意識し実践していたことは評価できると思います。力のあるストレートと切れのある変化球を持っているのですから自信を持って開幕戦同様のピッチングができれば二ケタは楽に勝てると思いますね」

 では残念ながら3月29日の本拠地開幕戦で4失点し負け投手となってしまったルーキーの今永昇太についてはどうだろうか。巨人攻撃陣の一発攻勢に苦しんだが、それでも7イニング9奪三振を記録している。

「彼に対する私の評価は高いです。持ち球の良さは当然として、なによりもピッチャーとして一番大事な要素であるバッターと勝負する気持ちがある。しっかりと投げ切っていたし、そこには魅力を感じます。ルーキーなので計算はできませんが、ケガなく1年間ローテーションを守ることができれば二ケタはいけると思いますね」

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