DeNA投手陣に必要な先発、リリーフの柱【野村弘樹の眼】
12球団で唯一、クライマックスシリーズ進出を果たせていないのが横浜DeNAベイスターズ。開幕から数試合を消化したが、OBの野村弘樹氏の眼にはどのように映っているのか。まずは投手編だ。 (元横浜ベイスターズ・野村弘樹氏 トークショー&サイン会の内容の一部を編集)
2016/04/04
リリーフ陣は田中がキーに
野村氏は以前、DeNAの投手陣活躍のポイントとして先発とブルペン陣の厚さを挙げていた。中継ぎのキーマンとなるのは誰だろうか。
「左の田中健二朗でしょうね。昨シーズンは前半頑張りましたが、後半調子を崩しました。本人とも話しましたが、やはり肉体的な負担が大きかった。本人は1年間通して投げた経験がなく、そこまでの体力を持ち合わせていなかった。今シーズンはその経験を生かして欲しい。技術は持っている。そして気持ちも強い。3月26日の広島戦ではビハインドながら2イニングをいいピッチングで抑えていました。勝っていたり同点の場面はもちろん1~2点ビハインドでも抑えて流れを作る。そういったピッチャーがブルペンには求められるし、田中は十分その役割が果たせると思います。
そういう意味では抑えの山﨑康晃も同様です。新人王を獲得した昨年の活躍は素晴らしいものでしたが、疲れが出てくるとストレートの球威が落ち、ツーシームを活かしきれない場面が目立ちました。今後チームが勝てば勝つほど山﨑の出番は増える。そこでいかに調子を落とさず投げ切れるかが重要になってくると思います」
先発だけを見れば、昨年DeNAの投手で規定投球回数に達した選手はいない。先発、ブルペンも含め、1年間戦い抜くコンディションの維持が必要だということは明白だ。つまりは昨年の下降線をたどった経験をいかに生かすことができるかにかかっている。
「DeNAの先発陣を見れば頭数は揃っているんです。しかし年間160~170イニング、あわよくば200イニング投げるような選手が現地点では見当たらないし、柱不在ではペナントを戦い抜くのは厳しい。中継ぎ陣にしても強いチームには必ず60~70試合投げるセットアッパーがいるわけです。1年間トータルで戦える選手。それが誰になるのか。DeNAの個々の投手を見れば、その資質を持った選手はいますし、私は期待していますよ」