バント失敗、緩慢な守備……「ファイターズ野球をおろそかにするな」【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#26】
北海道日本ハムファイターズは開幕カードのマリーンズ戦で負け越し。まだ開幕直後とはいえ打線が湿っているのは気がかりだが、もっと気がかりなことがある。
2016/04/02
ファンの期待通りに事はうまく運ばず……
2016年もプロ野球開幕は赤飯で祝った。昔、結婚したての頃、「もうすぐ春になりますが……」と妻に切り出してみたのだった。
「もうすぐ春になりますが……、僕ら野球好きには1年に二回、お正月があります。一つめは1月のおせちを食べたりする正月です。で、もうひとつは『俺の正月』です。プロ野球開幕です。お願いがあります。赤飯を炊いてくれませんか」
それまではスーパーで赤飯パックを買っていた。結婚してよかった。家族と「開幕あけましておめでとう」と言い合えるなんて夢のようだと思った。
が、指折り数えて待ち、赤飯炊いて祝っても開幕戦に勝てるとは限らないのだ。現に今年は大谷翔平が160キロを出したのに敗れた。それも(スピードガンの派手な数字が出にくい)QVCマリンで計測されたのに。
それどころか開幕シリーズは連敗スタートだった。3戦目、有原航平の踏ん張りでどうにか勝てた(1対0の接戦!)けれど、下手したら連敗のトンネルに入るんじゃないかとヒヤヒヤした。ファンの勝手な胸算用と現実は違っている。
本稿執筆時点でロッテ、オリックスと5試合戦って2勝3敗である。1つだけ13点取って大勝という試合があったけれど、基本的には打線が湿っている。西川遥輝、中田翔、レアードがまだ本来の調子ではない。それからこれは開幕前から心配されたことだけれど、(ケガやインフルエンザ等で)リリーフ陣が手薄だ。おかげで高梨裕稔がしょっちゅう投げている。駒不足が案じられるなか、なぜか藤岡好明のDeNAへの金銭トレードが決まり(ロッテ戦で投げたばかりなのに!)、野球ってわからないことばかりだと思うのだ。
ここまでの試合で気になったシーンを3つ挙げる。世間的には打者・大谷翔平の2本塁打(詰まってるのに逆方向へスタンドイン!)に話題集中だ。そりゃ僕もしびれたけれど、今回は別のことを書きたい。