バント失敗、緩慢な守備……「ファイターズ野球をおろそかにするな」【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#26】
北海道日本ハムファイターズは開幕カードのマリーンズ戦で負け越し。まだ開幕直後とはいえ打線が湿っているのは気がかりだが、もっと気がかりなことがある。
2016/04/02
自分たちの野球を
ひとことで言うなら「ソツのないファイターズ野球をおろそかにするな!」だ。もっと短縮するなら「ソツあるぞ!」だ。
印象に残ったのは3月27日のロッテ戦(第3戦)、スタンリッジ攻略だ。5回表、四球のランナーをバントで送り、田中賢介の犠飛で返した決勝点は「さすがハム、ノーヒットで1点!」と評されることが多い。僕も後日、仕事で会った文化放送・高橋将市アナにそう誉めてもらったのだが、実はあんまり「さすがハム」でもなかったのだ。
バント失敗が繰り返されていた。5回の得点時も西川が一度失敗して、やり直しでどうにか送ったのだ。で、実は4回表にもほぼ同じ状況が訪れていた。このときは谷口雄也が送れずじまい。制球難のスタンリッジを助けてしまった。
オリックス戦では守備にもスキがあった。3月30日、1点差で敗れた試合の、3回表2死一、二塁の場面だ。中島宏之がセンター前ヒットを放ち、二塁走者モレルが帰る。と、一塁走者のボグセビックまで生還するじゃないか。これはボグセビックの驚異的な走力(糸井嘉男が自分より速いとコメント!)にまず賛辞をおくるべきだろうが、そんなこと言っても1点差で負けてるんだから、正直、賛辞なんかぜんぜんおくりたくない。「単打で一塁走者が生還」って油断以外の何だろうか。名手・陽岱鋼の看板が泣くってもんだ。
今年は西川を2番に上げて、攻撃的な打線を組んでいる。ソフトバンクを打倒するには「守り勝つ」だけじゃなく、「打ち勝つ」野球を目指したいというところだろう。が、打線は水モノという。いつも打てるとは限らない。ソツのないファイターズ野球をおろそかにしちゃいけない。自分らのスタイルを大事にしよう。
辛口解説者・森本稀哲は、北海道日本ハムの原点を知る男【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#27】