二塁打と犠打の数は球史に残る成績――森野将彦と田中浩康、両ベテランの存在価値
出場機会が減っている中日の森野とヤクルトの田中だが、両ベテランの力は長いシーズン必ず必要となる。
2016/04/05
山田哲人の台頭で風向きが変わった田中浩の野球人生
今季でプロ12年目を迎えるヤクルトの田中浩康は、春季キャンプを2軍でスタートさせた。昨季チームは14年ぶりの優勝を遂げたが、自身は82試合の出場で打率は.201と不本意な成績に終わった。
2012年は139試合に出場し、打率.274の成績を挙げてベストナインとゴールデングラブ賞を獲得。13年にはチームのキャプテンを務めたが、この年極度の不振に陥り、打率は.225にまで低迷。試合数も97試合にとどまり、06年以来7年ぶりに100試合に届かなかった。
その田中浩が守り続けた二塁のポジションは、急成長を遂げた若武者・山田哲人が奪い取った。山田は今年から「ミスタースワローズ」の象徴である背番号1を背負い、文字通りヤクルトの顔となった。14年にシーズン日本人右打者最多安打記録となる193安打を放ち、昨年はトリプルスリーを達成。本塁打王と盗塁王の2つのタイトルを獲得した。
山田の活躍でチームも生まれ変わり、昨季の優勝につなげた。そして、田中浩にとって山田の台頭は、野球人生の大きな分岐点となった。