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25年ぶり「開幕10戦セーブなし」の珍事。ヤクルト喫緊の課題は「新・勝利の方程式」構築【新・燕軍戦記#22】

開幕から10試合を消化して3勝6敗1分けと、スタートダッシュに失敗した東京ヤクルトスワローズ。まだ先は長いとはいえ、ここから優勝争いに食い込んでいくために不可欠なのが「新・勝利の方程式」の構築である。

2016/04/06

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デイビーズ離脱で外国人救援トリオの再現も

「僕が正式なクローザーだ。開幕直前にそう伝えられたよ。今はセーブ機会が来るのを待っているところさ」
 そう話すのは来日2年目のローガン・オンドルセク。昨年はセットアッパーとしてリーグ最多タイの33ホールドを挙げた実績を買われ、退団したバーネットの後釜に抜てきされたが、そのオンドルセクにつなぐ試合展開になかなか持ってくことができない。

 誤算だったのが、昨シーズンは球団新記録の74試合に登板した秋吉亮の不調だ。オープン戦では6試合に投げて無失点だったのが、開幕してみると巨人との第3戦(東京ドーム)でギャレットに逆転2ランを浴びるなど、5試合の登板で防御率12.00。当初は抑えにつなぐセットアッパーとして期待されていたが、ここまではそれに応えることができていない。

 先発から救援に配置転換された杉浦稔大も、3月31日の阪神戦(神宮)では1点リードの7回に登板して逆転を許すなど5試合の登板で防御率9.00。昨季はシーズン終盤からポストシーズンにかけ、左打者キラーとして存在感を発揮した久古健太郎は5試合で防御率3.38ながら、肝心の左打者に対して8打数3安打と結果を残せていない。

「勝ちパターン」で起用された中継ぎ投手で、唯一成功しているといえるのが新外国人のジョシュ・ルーキだ。ここまで4試合に投げて無失点。3月31日の阪神戦(神宮)では同点の8回に登板して勝ち越しを許さず、4月2日の中日戦(神宮)では4点リードの8回1死満塁で登場して併殺打でピンチをしのぐなど、リーグ2位タイの3ホールドを挙げている。

 4月2日には、インフルエンザA型を発症して戦列を離れていた新外国人のルイス・ペレスが練習に合流。首脳陣はペレスの戦列復帰について「しばらくピッチングもしていなかったので、そこは段階を踏んでから」と慎重な構えを見せていたが、開幕ローテーション入りしていた同じ新外国人のカイル・デイビーズが背中の張りを訴えて5日付で登録を抹消されたため、復帰が早まる可能性も出てきた。

 昨年も序盤は秋吉の調子が上がらず、オーランド・ロマン(現台湾ラミゴ)がオンドルセクと共にセットアッパーとして起用されたことで、抑えのバーネットとの外国人救援トリオ「ROB」が誕生。それが14年ぶりのリーグ優勝の原動力となったのだが、今季はルーキ、ペレス、オンドルセクによる「LPO」結成も現実味を帯びてきた。

 いずれにしても今のヤクルトにとってまず必要なのは、「新・勝利の方程式」を固めること。そこは首脳陣も頭が痛いところだろうが、しっかりとオンドルセクにつなぐパターンさえ確立されれば、自ずと勝ちは増えしセーブも付く。問題はそれがいつになるかだ。

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【スペシャルインタビュー】
真中満監督、松嵜麗さん

【第1章】「失速」2011年
【第2章】「執念」2012年
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