ロッテ・藤岡、中継ぎを経験して取り戻した自信。かつての『東都のドクターK』は覚醒の2016年に
開幕からロッテのブルペン陣は好調だ。日に日に存在感を増しているのが藤岡貴裕だ。
2016/04/07
指揮官「元々は先発だが、しばらくは中継ぎで」
2016年に入り、藤岡のポジションは先発ではなく、昨年終盤と変わらないロングリリーフ要員のままだ。それでも4月5日現在で、4試合6イニング1/3を投げて防御率1.42の成績とブルペン陣の一人として、頼りになるところを見せている。
3月26日の北海道日本ハム戦では先発で崩れた大嶺祐太の後を継ぎ、2回1安打無失点。チームの逆転勝利に繋げる投球をした。
奪った三振も4個。かつて「東都のドクターK」と呼ばれたころの面影も感じさせた。
試合後の千葉ロッテ・伊東勤監督のコメントも上々の評価を与えた。
「(今日は)悪い流れを、藤岡が2回をピシッと抑えてくれたことでこういう形(逆転勝ち)に繋がったんだと思います」
さらに、伊東監督はこう言葉を続けた。
「今日はおどおどしているところもなかったですし、オープン戦でも状態は悪くなかったので、こういうチャンスを活かして、元々は先発のピッチャーなので、彼が先発に加わってくれたら、いいと思いますけど、しばらくの間は中継ぎが弱いので、長いイニングも投げられますし、大谷が腰の状態が良くなくて抹消しなければいけない状態になったので、余計に藤岡の存在も大きくなってくると思います」
指揮官のこうした評価を得てもなお、藤岡は自身の投球にまだまだ物足りないところがあると言う。それは彼の求めた場所が、今いる場所よりも、もっと高いところにあるからに他ならない。
「変化球で空振りを獲りたいときにファールにされたりとかそういうところです。結果的に真っ直ぐで三振は獲れましたけど、自分がその打席で狙ったイメージは、変化球で三振を獲りに行ったこと。それがファールにされてしまったので……。打ち取れはしましたけど、三振を獲りたいときにバットに当てさせないというところをもっと意識して、これからもっと自分を上げて行きたいんです」
そう話す現在の彼に、強気に一段上から相手打者を見下ろしていた入団当時の彼の姿を思い起こしたのは自分だけではないはずだ。
覚醒は、すでに始まっているのかもしれない。