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【4月8日~10日セ・パ第5節展望】好調・阪神が甲子園開幕。「初物」アレルギー脱却なるか

2016年4月8日~10日までの第5節、勝負のポイントはどこにあるか。

2016/04/08

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第5節 阪神―広島 甲子園

 阪神が地元・甲子園で今季の開幕を迎える。前節では巨人との「伝統の一戦」を2勝1敗と勝ち越して勢いを持続している。初戦先発の能見は広島から昨季5勝と広島キラーは健在だ。能見で初戦を取って3連戦を優位に運びたい。2戦目は前回の初登板で7回を無失点に抑えた岩貞が有力。2戦続けての好投で信頼を確実なものにしたい。打線は1番の高山が大崩れしないのが大きい。クリーンアップも充実し、後を打つ西岡にも当たりが出てきている。初物に弱いと言われている阪神だが、今節は力を示す絶好の機会だ。

 一方の広島は前節を2連勝で飾り、上昇ムードが漂っている。中継ぎ陣がやや手薄なだけに、先発がゲームを作って打線が大量点を奪う展開に持っていきたい。今節に登板予定の黒田が開幕からの2戦、チームに落ち着きをもたらすピッチングを披露しているだけに、初戦先発のルーキー横山には思い切って挑んでもらいたい。打線は上位の3人がうまく形を作れている。前節がそうだったように、主軸が活躍すれば、勝機は見えるはずだ。

第5節 中日―巨人 ナゴヤドーム

 この3連戦を2勝1分に持ち込んだ中日は上昇の予感。投手陣を中心にした接戦の強さは中日らしさが戻ってきた証拠だ。打線に元気がないのは確かだが、こうした展開をものにしてきたのが強いときの中日だ。巨人相手にも接戦を制して、勝利を重ねたい。初戦先発の大野は、前回登板でピリッとしなかった。ここはエースの貫禄を見せたいところだろう。打線は高橋、ビシエドがクリーアップで控えているだけに、1、2番の出塁を高めたい。大島―荒井の形を変えるのだろうか。

 巨人は前節の阪神戦を負け越し、沈滞ムード。ギャレット、クルーズが研究され始めてきた。特にクルーズは脆さを露呈している。前の試合で途中交代した坂本の状態も気になるところだ。チームはいいときと悪いときの差が激しく、強さと脆さが同居している印象だ。先発投手次第ですべてが決まる。初戦先発の高木勇は昨季の中日戦防御率が3点台後半と苦戦している。先制点は与えたくない。

第5節 DeNA-ヤクルト 横浜スタジアム

 早くも正念場を迎えたDeNA、得点力のなさがカギだ。前節は3試合で1得点と貧打にあえいでいる。ラミレス監督は打順を入れ替えているが、成果が表れていないというのが実情だ。そろそろ野手陣に関しても補強へ、GMの動きが必要かもしれない。初戦先発の井納は今季1勝だが、チームの3勝のうち2勝は、井納が先発した試合という勝ち運を持つ。彼のような明るいキャラが流れを変えてくれるかもしれない。とはいえ、投手陣はさほど悪いわけではない。あくまで課題は打撃陣だ。白根や飛雄馬らの抜擢も視野に入れたい。

 ヤクルトは投手陣が崩壊危機にあり、先発のエース・小川にかかる期待は大きい。昨季はDeNA戦5戦5勝の相性を味方につけたい。2戦目先発予定の石川もDeNAをカモにしている。投手陣が試合を作れば打線は好調なだけに大勝が期待できる。3連勝を挙げて息を吹き返したいというのが首脳陣の本音ではないか。

第5節 ロッテ―西武 QVCマリン

 王者・ソフトバンクに粘り強い戦いぶりで2勝を挙げて帰ってきたロッテは勢いを持続させたい。初戦の先発は今季初先発になる古谷がマウンドに立つ。石川の離脱もあって先発陣が苦しいだけに、古谷には経験をうまく力に変えていいスタートを切ってもらいたい。2戦目の大嶺、3戦目のスタンリッジともゲームが作れる、1戦目の流れがその後を左右するかもしれない。打線は5番の清田に当たりが出てきたのが大きい。さらには下位打線の井上、中村も調子を上げている。売り出し中の2番・細谷にいい形で回したい。危惧されるのは疲労具合だ。ソフトバンクとの3連戦が見事な戦いぶりを見せたあとだけに、その反動もあるはずだ。相手の西武が1日休んでいることがどう作用するか。

 西武は開幕投手ながら未勝利の菊池が初戦の先発に立つ。内容は悪くないが、果たしてロッテを相手にも自分のピッチングができるか。苦手としている清田をどう抑えるかがキーになる。2戦目の十亀は背水の陣となる。2戦ともに序盤で炎上。うまくゲームを作りたい。打線は栗山をけがで欠いても、前節は打線が機能した。今節からは栗山の復帰が予定され、打線の厚みはリーグ屈指だ。首位・ロッテをたたいて、上りたいところだ。

第5節 楽天―日本ハム Koboスタ宮城

 楽天は前節2連勝で日本ハムを迎える。初戦先発は開幕2連勝の則本が立つ。勝負所を心得ての2勝は見事な滑り出しといえる。エースの勝利でチームが勢いづき、何より求心力がある。2戦目の塩見、3戦目の釜田も調子が良く、さらには救援陣も充実しているのが今の強さの秘訣だ。打線は外国人のウイーラーとゴームズにそれぞれ1発が出た。1番の岡島の出塁率が高いだけに、得点力はさらに上がるだろう。9番の嶋に存在感があり、打線は切れ目がない。

 日本ハムは正念場になりそうだ。これまで2勝の有原が腰のねん挫で離脱。チームの窮地を救ってきた投手だけに痛手だ。さらには前節の西武戦でエースの大谷が走塁中に足を痛めた。その影響がどう出るか。代役となる投手はチャンスになるだろうが、誰を先発させるか。今は中継ぎの加藤あたりの抜擢が面白いかもしれない。打線は1番の陽の調子が良く、田中も凡打内容が悪くない。レアードに復調の兆しがみえるが、4番・中田の体に切れがなく、近藤が体調面に課題を抱えている。この難局をどう乗り切るか。粘り強さを見せたいところだ。

第5節 ソフトバンク―オリックス 鹿児島、熊本

 地方開催で2連戦となる。九州一円にファンを持つソフトバンクだけに、地方の観客を楽しませたいところだ。前節は投手陣が粘り切れずに負け越し。ただ、今節はバンデンハーク、武田を用意しており、それほど心配はない。むしろ、打線にやや元気がない。内川、中村は好調を持続しているが、上位打線で形を作れていない。それは1番打者を固定できていない点からも、その苦しさはうかがえる。中村を1番に抜擢すれば解決しそうだが、工藤監督に何か狙いがあるのだろう。もし、中村を6番に固定するなら、1番になると威圧感の出る今宮の抜擢を勧めたい。

 オリックスはセのDeNAと並んで、もう負けられない状態だ。初戦は金子千尋を立て、2戦目はこの2試合炎上している西の先発が有力視されている。現在は勝利の方程式の再編が求められている苦しい状況。不調のコーディエを2軍に降格させたのは不安を助長しかねないが、果たしてどうか。いずれにせよ、ダブルエースにかかる期待が大きい。打線は糸井が調子を上げている。彼の前に走者を出すためには、吉田尚、西野の若い二人の出塁がカギを握る。下位打線が安全パイになっているのも打開しなければいけない。



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