ファイターズ・有原航平、入団2年目のダルビッシュ有を彷彿させる本格化の過程
昨年に比べて、開幕からまだエンジンがかかっていないファイターズだが、2年目の右腕が本格化しつつある。
2016/04/17
有原はエース道の入り口に立った
「負ければ終わり」という重圧のかかる舞台で、首脳陣は中継ぎ経験のない有原にマウンドを託した。この大胆な起用に込められたのは、「チームを背負う男になってくれ」という期待である。それは考えたくないことだが、大谷の流出を見越した決断でもあるだろう。
残念ながら有原はシーズン最後の敗戦投手となったが、このクライマックスシリーズではレギュラーシーズンには見られなかった、若さと気迫を前面に押し出した投球を見せた。その雄姿が今年につながっている。
有原本格化の過程は2006年、入団2年目のダルビッシュを彷彿とさせる。
レギュラーシーズン1位通過がかかった最終戦、すでに12勝を挙げていたダルビッシュは初めて中継ぎに起用され、150キロ台の速球でソフトバンク打線を抑え込んだ。器用さが目立った、それまでのイメージを覆す圧巻の投球。それは「北の若きエース」が「日本のエース」への階段を歩み始めた登板でもあった。
残念ながら有原は「腰椎捻挫」で登録抹消されたが、大谷以外の先発陣の安定感が物足りないだけに、早期の一軍復帰を望みたいところ。
これまでもダルビッシュや大谷の試合には、「絶対に落とせない」という集中力の高まりがチーム、ファンから立ち昇る。それに似た空気が、今季の有原の登板にも漂い始めている。
大谷と有原、ふたりの右腕が並び立つ日が、もうすぐそこまで迫っているのかもしれない。