対戦カード一巡、順調に滑り出したチーム、つまずいたチーム。昨年同時期とペナントレースの勢力図を比較する【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は開幕から対戦が一巡し、昨年の同時期の成績と比較してみた。
2016/04/12
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セはどの部門でも顔ぶれに変化
次にセリーグを見ていこう。
チーム成績からだ。
昨年は勢いがあったDeNAも今年は5位に沈んでいる。最下位だった広島が阪神と同率の2位。優勝チームのヤクルトが最下位だ。
次に打撃成績だ。
はっきりわかるのは、昨年上位にほとんどいなかった赤いマークの選手が上位にいること。広島は打線が好調だ。
反対にDeNAは昨年は元気が良かったが、今年は20傑に筒香1人だけ。開幕当初、大活躍した中日・ビシエドの打率が落ちてきている。巨人のギャレットは.250まで落ちている。
阪神の高山、中日の高橋周平など若い選手がランクインしている。反対に阿部慎之助は今、まだ二軍。世代交代が進んでいる。
投手成績はどうだろうか。
菅野、黒田、藤浪、小川と実力派が上位に。前田健太が抜けた広島は黒田、ジョンソン、横山がその穴を埋めつつある。
セーブはバーネット、呉昇桓という昨年のセーブ王が姿を消し、新たな顔ぶれになった。巨人の澤村拓一は、クローザーだが3勝で最多勝になっている。開幕以来、巨人に接戦が多いためこういう珍現象が起こっている。
ホールドは中日の田島が1位、両リーグ最多の9登板。酷使がやや心配だ。
まだ序盤だが、両リーグの今年の傾向がそろそろ明らかになりつつある。
パリーグはソフトバンクがいつから追撃態勢に入るか、セリーグは混戦から抜け出すのはどのチームか。今季も目が離せない。