いつか背番号「122」から「22」へ。ロッテ・柿沼、憧れの大捕手を夢見て【マリーンズ浦和ファーム通信#17】
2015年育成ドラフト2位でマリーンズに入団した柿沼友哉。指名を受けた本人は信じられない気持ちだったという。そんな柿沼は支配下登録を目指して、プロ野球選手として日々奮闘している。
2016/04/13
千葉ロッテマリーンズ
あの大捕手を目指して
室内練習場での試合後の打ち込みを終え、人工芝に座り込みながら、柿沼はそう言って笑った。それを聞いた福澤コーチも懐かしそうに振り返った。
「捕手にそんな場面はいくらでもあるよ。マリーンズが17連敗した試合なんて1カ月、頭から離れなかった。9回2点リードで二死一塁。追い込んでからホームランを打たれて同点とされた。そして延長で負けた。1カ月ぐらい、あの場面が脳裏をよぎって離れなかったよ。ホームランの残像が嫌でも頭をよぎった」
神妙に聞き入る若者に言葉を続けた。「でも、野球のことをずっと考えられる奴が勝つ世界だからな」。柿沼は力強く頷いた。
「とにかく今はすべて勉強です。野球を始めた小学校4年生の時からずっとキャッチャーをやってきましたが、こんなに深く考えたことはなかった。奥が深い。楽しいです」
今はまだ育成選手の身。だが、大きな夢を持って日々を送っている。14年限りでマリーンズのユニホームを脱ぎ現役引退した里崎智也氏のような大捕手になりたい。背番号「122」から「1」が外れ、「22」になるために、どんな努力も惜しまない覚悟の毎日だ。悩み、もがき苦しむ毎日。その中で覚え、反省をして学ぶ。吸収の日々は続く。若者はそのたびにどんどん成長をする。