長谷川威展、これぞ現役ドラフト。「ポスト嘉弥真」としての才能開花に期待【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#214】
12月8日「現役ドラフト」が開催され、長谷川威展がソフトバンクへ移籍することとなった。今季イースタンで最多勝利のタイトルも獲得した伸び盛りの変則左腕は、新天地で生き残りをかけて勝負することになった。
2023/12/10
産経新聞社
パワーヒッター・水谷がチームを変える存在に
水谷瞬を新たに迎えるファイターズの野手陣についても考察しておきたい。ウエスタンの試合をそんなに見ているわけではないが、水谷の豪快なバッティングは噂が聞こえていた。ガチのパワーヒッターだ。足も速いらしい。ファイターズとしては万波中正に続いて、次代のスターとして売り出したい考えだろうか。来年の鎌スタで山口アタルと並ぶのが楽しみだ。
今年のドラフトでは4巡で明瀬諒介（鹿児島城西高）とパワーヒッタータイプを獲得している。ファイターズは社会人・大卒の好選手・巧選手タイプが多くなり、チームが小粒になってきた。その殻を破りたいのだと思う。野村克也氏の「エースと4番は育てられない」ではないが、飛距離はある程度、天性のものだ。来年すぐにとは言わないが、水谷や明瀬がチームを変える存在になるかもしれない。このところのファイターズの編成を見ると、五十幡亮汰、矢澤宏太、宮崎一樹と俊足を揃えるなど、「天性のもの」「育てられない」を獲っている観がある。ひと言でいうと「フィジカルエリート」だ。
まぁ、僕は（以前も書いたことがあるが）ハムの育成は曲がり角に来ているという考えなので、鎌ケ谷では守備も含め、もっとしっかり野球のいろはを叩き込んでもらいたいのだが、素晴らしい素材が集まることは大賛成だ。育成に関する危機感は稲葉篤紀GMを2軍監督に据える（！）大ナタにも見られる通り、球団も認識しているはずだ。
稲葉・新2軍監督は「新庄さんの次」の監督候補と目されており、だとしたら今、鎌ケ谷に飛び込んでくる水谷瞬はトクをする。これまで（ファイターズに限らず）2軍→1軍に昇格した監督さんで自分が育てた若手を抜擢しなかった人はいないだろう。「稲葉さんの下で野球をやる」のはチャンスなのだ。来年の鎌ケ谷にはそのモチベーションが加わる。もちろんのこと、それは水谷に限らないのだけど。