共に13年新人王の則本と小川。真のエースに向けての課題
大学から共に2012年のドラフト会議でヤクルトと楽天に指名を受けた小川と則本はチームの投手陣の柱として今年も活躍が期待される。
2016/04/20
「200イニング」の目標を掲げる小川。被本塁打の数を減らすのが課題
ヤクルトが連覇を目指すには、小川が先発の柱にならなければならない。3年連続の開幕投手はその期待の表れだった。しかし、3月25日の巨人との開幕戦(東京ドーム)では巨人打線を6回2安打1失点に抑えたが、結果的に負け投手となってしまった。
この日は長野にレフトスタンドへのソロ本塁打を浴び、先制される。許したのはこの1点のみだったが、チームに流れを呼び込むことができずにマウンドを降りた。
開幕戦では敗れたが、その後の2試合では力強い投球を披露した。今季、開幕から4試合の小川の成績は以下の通りとなっている。
◆2016年開幕から4試合の成績
4試合 2勝1敗 防御率2.60
4月1日の中日戦(神宮)では9回1失点、117球の熱投をみせ今季初勝利を挙げた。昨季8月12日の広島戦(マツダ)で一度だけ完封勝利を挙げて以来の完投勝利となった。
4月8日のDeNA戦(横浜)では、ペレスとオンドルセクの救援を受けたものの、7回2失点の好投で2勝目を挙げている。
昨季、小川はチームトップの投球回数168イニングを投げたが、今季は「200投球回」を目標に掲げている。少しでも長くマウンドに立ち続けるために、注意すべきポイントは被本塁打の多さだ。
昨季は11勝8敗、防御率3.11の成績で14年ぶりのリーグ優勝に貢献した小川だが、被本塁打の数はリーグワーストの18本だった。今季も、現在1試合に1本ずつ本塁打を浴びていて、被本塁打数はリーグワースト3位の4本となっている。
打たれた本塁打はすべてソロであり、ランナーがいない場面ということになる。ここまで防御率2点台と、不安なヤクルト先発陣の中で安定した成績を誇っている小川だけに、“一発病”をクリアすればさらに勝ち星も増えるはずだ。
ルーキーイヤーの13年は26試合に登板して16勝(4敗)を挙げ最多勝。さらに防御率2.93と新人ながら輝かしい成績を残して堂々の新人王を獲得した。小川にとって、この一年目の成績を越えることで、今季は真のエースの座を不動のものにしたい。
則本と小川は、奇しくもプロ入り後3年間で優勝と最下位しか知らない2人だ。チームが常勝軍団になるために、両右腕のエースとしての真価が問われる。