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山﨑福也で、2年連続FA補強成功。「渋チン球団」イメージ脱却でチーム強化へ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#215】

過去には高年俸の選手に対する対応で物議を醸したこともあったファイターズが、今オフ6球団競合の激戦を制し山﨑福也の獲得に成功した。これで伏見寅威に続いて、2年連続のFA補強となり、さすがに驚きだ。

2023/12/23

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産経新聞社



日本ハム・山﨑福也 入団会見

「野球の故郷」に帰ってきた

 クリスマス週のプロ野球界は山川穂高のFA移籍で持ち切りだった。フェニックスリーグに参加して以来、雲隠れの状態が続いていた山川のソフトバンク入りが18日、発表されたのだ。報道によると4年総額12億円の大型契約らしい。、また強制性交の容疑で書類送検され(嫌疑不十分で不起訴)、公式戦の無期限出場停止処分中だった身の上に関しては、球団が変わることでチャラになるらしい。あくまでそれはライオンズの処分だという考え方だ。
 
 蔑(ないがし)ろにされたライオンズファンの胸中は思うしかない。何しろ、ライオンズファンに向けた謝罪の言葉は所沢でなく福岡で、それもホークスの有料チャンネルの中継の冒頭で済まされたのだ。僕らファイターズファンは2021年8月下旬の中田翔巨人入り会見を否応なく思い浮かべてしまう。中田の場合は暴力事件で処分中の電撃無償トレード、山川は(ライオンズ最終年の複数年オファーを蹴り)単年契約した上でのFA移籍と準備段階からして違う。ライオンズ側も新外国人、ヘスス・アギラーを獲得する猶予があった。だけど、愛してくれたファンに断りなく、「札幌でなく大手町で」「所沢でなく福岡で」いきなり会見を開かれる無念さ、空虚感は僕らにはよくわかる。「球団変わると処分チャラ」の軽さにも呆れる。まぁ、球団にホークスファンの苦情も沢山寄せられたそうだから、九州でも賛否両論というところなのだろう。
 
 いずれにしても一世風靡した「山賊打線」は完全に解体だ。秋山翔吾は広島へ、浅村栄斗は楽天へ、森友哉はオリックス、山川穂高はソフトバンクへ動いた。来季、パ・リーグの4番打者はおそらく3球団が「元西武」ということになる。ライオンズの4番は「現西武」だから、西武と関係ない4番はロッテとハムだけだ。まぁ、愛斗がロッテの4番を務めなければという但し書き付きではあるけれど。これはちょっとライオンズファンが気の毒すぎる。いかに「山賊打線」がパワフルであったかの証左になるとはいえ。
 
 ファイターズもこのオフ、FA補強に動いた。球団史上初めてFAで投手を獲得した。それが何と今季11勝5敗の山﨑福也だ。先発ローテから米球界挑戦の上沢直之が抜け、イニングが食える投手がどうしても必要だった。山﨑福也のFAはこのオフの目玉といってよく、6球団競合の激戦だった。当初、劣勢が伝えられたファイターズだったが、4年総額10億円(推定)の大型契約に加え、実父の山﨑章弘氏がファイターズに選手、コーチとして在籍していた「縁」が決め手となる。ちなみに金銭面の条件ならもっと好オファーを提示した球団があったという。だから、これは「リアルしゃけまる」だと思っている。小学生の頃、お父さんに連れられて行った鎌スタに福也は帰ってきたのだ。しゃけが故郷の川に俎上してくるのと同じだ。僕ですら鎌スタで選手らに可愛がられていた「山﨑コーチの息子さん」を覚えている。福也は「野球の故郷」に帰ってきたのだと思う。

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