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根本悠楓、今シーズン大注目の理由。活路を見出した投球フォーム変更【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#219】

来月の侍ジャパン強化試合でアジアチャンピオンシップに続き、根本悠楓が代表入りを果たした。昨シーズンのラスト登板となった韓国戦では素晴らしい投球を披露したが、この試合をきっかけに今季、根本にはチームの先発陣の一角としての活躍が期待される。

2024/02/18

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産経新聞社



日本ハム・根本悠楓

野球ファンを驚かせた左腕の好投

 3月6、7日の侍ジャパン強化試合(欧州代表戦、京セラドーム大阪)のメンバーが発表になり、大学生の代表入り、巨人からの選出ゼロetc、話題になっている。ファイターズからは昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップ同様、万波中正、根本悠楓の2選手が選ばれた。いつの間にか「井端ジャパンの顔」である。僕は今回、根本を語りたいのだ。とても面白い存在だと思う。
 
 万波はとにかく昨シーズン、.265、25本、74打点の数字を残した。二塁打33はリーグ最多であり、もちろん守備ではゴールデン・グラブ賞だ。今季のファイターズで唯一、新庄監督がレギュラーを確約している選手である。一方の根本は昨年、5試合登板、3勝1敗、防御率2.88の投手だ。投球イニングはわずか25.0に過ぎない。金村尚真と並んで期待値は大きいが、決して主力の働きではなかった。ちなみに5試合登板はすべて先発なので、投球イニングを考えると全試合、5回までなのだ。数字だけを見ると「そこそこ頑張ったが、中盤でつかまる投手」というイメージじゃないだろうか。
 
 それが11月のアジチャンでは井端ジャパンに欠かせない存在になる。中継ぎ起用だったが、どの試合も相手打線を寄せ付けない。僕は代表入りと聞いて内心、大丈夫かなぁと心配していたのだ。特段、優れた成績を残したわけじゃない。左なら例えば加藤貴之の方が信頼感がある。そうしたらアジチャン本番の活躍がすごかった。「ピシャリと抑える」とはこういうもんだという見本みたいな投球。僕が忘れられないのは日韓対決になった決勝戦、根本がリリーフに出て来たとき、後ろに座った阪神ファンの親子連れがこんなやりとりをしたのだ。
 
 「ピッチャー、誰?」「日本ハムの根本だよ」「根本?」「これは素晴らしいピッチャー。絶対打たれない」
 
 えー、AREで盛り上がった阪神ファンにそう見えますか、とニマニマしてしまう。アジチャンの短期間で根本はセ・リーグのファンに「絶対打たれない」とまで認識してもらっていた。そして実際、圧倒的な働きだ。僕は阪神ファン親子に向かって、心の中で「でも、これシーズン中よりいいんですよ」と言っていた。一年通して見たファイターズファンならわかるだろう。アジチャンの根本は「2023年いちばん」の出来だった。
 
 それは何故か? 投球がビタビタに決まったからだ。ムダ球がほとんどなかった。どんどん追い込んで、攻めのピッチングが出来ていた。僕はさすが中学時代から大舞台を踏んできただけあるなと、主にマウンド度胸の点に感心していた。で、よしよし2023年は最高の形で締めくくれた、こりゃ新シーズンが楽しみだぞと思っていたのだ。

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