応援歌作詞をきっかけにファイターズファンになりました【音楽と野球 いしわたり淳治さん インタビュー〈#1〉】
多角的な視点で“新しい野球のミカタ”をお届けする連載「音楽と野球」。今シーズンのトップバッターは、北海道日本ハムファイターズ応援歌「La La La FIGHTERS」の作詞を手掛けた、いしわたり淳治さん。ロックバンドSUPERCARのメンバーとしてデビューし、解散後は作詞家・音楽プロデューサーとして数多くの作品を世に送り出し続ける、まさに “ヒットメーカー”だ。そんな彼の野球の見方は独特! 個性光る発想が印象的なインタビューになった。
2016/04/24
野球は「抑える美学」だと思っています
――では次に、ご自身が野球経験者だからこその、野球の見方はありますか?
あると思います。「次は絶対この球しかない」とか。だから打撃戦よりも1対0とかの試合の方が好きですね。野球は「抑える美学」だと思っています。やっぱりピッチャーをやっていたからピッチャー目線なんですよね。だって、バッターは3回に1回打てばよしとされるわけじゃないですか。ピッチャーはずっと抑えていても、その3回に1回打つ選手が1イニングに固まっていたら負けるんです。確率論的にはバッターよりも割に合わないことやっているからこそ、頑張れ!って思うんですよね。球種を駆使し、バッターと駆け引きをして、空振りを取る、大きな責任を背負って投げるその姿を応援しているんです。
あと、野球ほど1球1球ごとの選手の顔がアップで見られるスポーツってないですよね。本田圭佑選手がパスをもらった瞬間、どんな顔をしているか見たことないじゃないですか? 顔色対顔色の対決を凝視するのが好きなんです。「こんな表情じゃあ打てない」「バッターが力んでいる」と思っていたのに、ヒットを打つと、バッターが一枚上手だったなって思いながら見ています。だから正直なところ、球場で見るのはあまり好きじゃないんです。
――表情も球種も分かりづらいですからね。
球場の空気感は好きなんですけどね。将来、ゴーグル型の端末が出来て、その端っこにテレビ放送が流れていて、表情をアップで見たい時はそっちを見ることができて、欲しい情報はネットで即座に拾えて、球場の雰囲気を味わいたい時は普通に試合を観る・・・・・・なんていうのがあったら、ものすごくよくないですか!? しかもビールもこのゴーグルで簡単に頼めたらいいなあ(笑)。
――〈#2〉では、ファイターズや応援歌「La La La FIGHTERS」についてお聞きしていきます。
※4月30日更新予定〈#2〉に続く
プロフィール
いしわたり淳治(イシワタリ ジュンジ)
1977年8月21日生まれ、青森県出身。1997年にロックバンドSUPERCARのメンバーとしてデビュー。アルバム7枚、シングル15枚を発表し、全曲の作詞とギターを担当。2005年のバンド解散後は、作詞家・音楽プロデューサーとして活動。作詞家としてSuperfly「愛をこめて花束を」、少女時代「PAPARAZZI」、SMAP「Top Of The World」などの楽曲を手掛け、音楽プロデューサーとしてもチャットモンチーや9mm Parabellum Bullet、ねごと、NICO Touches the Wallsなどのアーティストを手掛けている。また、音楽スクール「ソニックアカデミー」作詞コースの講師を務めている。
オフィシャルホームページ http://kihon.eplus2.jp/
ソニックアカデミーホームページ http://sonicacademy.jp/mm/