高い奪三振率を誇る則本、年々日本野球に適応するメッセンジャー【2014年タイトルホルダー 最多奪三振編】
パリーグの最多奪三振は最終戦で則本が金子を上回り受賞。セリーグはメッセンジャーが圧倒的な差でタイトルに輝いた。
2014/11/19
最終戦で逆転、金子の投手部門三冠を阻止
パリーグの最多奪三振は、昨シーズンの134個から204個へと大幅に数を増やした則本昂大が2年目で初受賞となった。パリーグの奪三振200個台は則本のみ。2位の金子千尋は199個で2年連続のタイトル獲得はならなかった。
3・4月は金子が5試合に登板し3度の二桁奪三振、14奪三振を二度マークするなど月間57奪三振と数を稼いだ。
序盤戦の則本は投球回数以上の三振を奪うことはなかったものの、月間の奪三振率は8個台で「高値安定」をキープ。
5月9日から6月3日にかけて28回2/3連続無失点を記録するなど投球内容も良く、交流戦MVPに輝き、6月には月間MVPも獲得した。
7月、金子は登録抹消があり19奪三振に留まるが、則本も4試合に登板し防御率9.87の大乱調。投球回を上回る三振を奪いながらも、金子との差を詰められなかった。
この月、奪三振を稼いだのが大谷翔平。7月9日の16奪三振など1試合二桁奪三振を3度マークし則本を逆転した。
7月5日から5試合連続で白星から見放された則本は、8月に入り2試合中継ぎに回る。
これが功を奏し、調子を取り戻し月間34奪三振。
金子が優勝争いの渦中で、力勝負よりも技巧を重視した投球が中心になったこともあり31奪三振に止まり、差が詰まった。
9月の金子は4勝1敗ながら、1試合5個以上の奪三振はなく、月間22個と低調。一方で則本が猛追し、9月末の時点で191個。トップ金子の199個に7個差まで迫った。
一気に逆転を狙った10月1日の日本ハム戦はまさかの4回KOで3奪三振。ラストチャンスとなったシーズン最終戦の相手は金子のいるオリックス。5回に伊藤光から三振を奪いシーズン200個目。
最終戦で逆転し、金子の2年連続タイトルと投手部門三冠を阻止した。
夏場に白星がつかない時期はあったものの、奪三振率はシーズンを通して8個台超。9・10月の奪三振率は10点台をマークした。ふり幅の小ささと、終盤の追い上げがタイトル獲得の要因といえそうだ。