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ホークス・森福の存在価値――輝きを取り戻しつつある左キラー

4月19日に首位に立ったソフトバンク。今季最長の8連勝をマークするなど、王者の貫禄を見せ始めた。打線が爆発し2ケタ安打の大量得点の日もあれば、投手陣が踏ん張り継投で手にした勝利もある。楽に勝てる試合ばかりではない。そんな中、一人の左腕が輝きを取り戻しつつある。

2016/04/26

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チームを支える左腕。取り戻した信頼

 プロ入り10年目を迎える森福允彦。2011年から4年連続50試合以上に登板している。11年60試合、12年65試合、13年57試合(いずれもチーム最多登板)、14年58試合。しかし、昨季は32試合登板に終わり、シーズン終盤はファーム暮らしと悔しさを味わった。

 勝利の方程式に入るべく、再起を誓った今季。4月24日までに7試合に登板し、防御率は0.00。投球回は4回2/3と多くはないものの、イニング途中に走者を背負った場面での登板が可能な、貴重な左腕だ。

 09年から本格的にサイドスローへと転向した。171センチとプロ野球選手としては小柄な体格ながら、負けん気の強さを存分に発揮した投球を披露する投手だ。プロ入り3年目の春、2軍で登板を続けていた頃にこんなことを語っていた。

「プロ入りからこの2年間、すごく悔しい思いをしてきました。ずっと取り組んできたのが左バッターを確実に抑えること。シーズンを通して1軍でやっていくポイントはそこですね。左バッターだったら僕の名前が出てくるように、自分のポジションを確立していきたい」

 その後1軍昇格が決まり、当時の2軍施設である雁の巣球場で身支度する森福に「行ってらっしゃい」と声をかけたのを覚えている。そうすると「行ってきます!」と笑顔で応えてくれた。結局、このシーズンは1軍と2軍を行き来することになったのだが、初ホールドを記録し、クライマックスシリーズでの登板も経験した。
 11年の中日との日本シリーズ第4戦、無死満塁の場面で登板し、無失点に切り抜けた「森福の11球」と言えば、ホークスファン以外でも記憶にあるだろう。

 昨季の防御率は5.82。1軍に定着してからは最も悪い数字となった。先発投手ができるだけ長いイニングを投げるチーム方針となり、ブルペン陣の稼働がこれまでと異なったのも事実。登板間隔が空き調整が難しかった部分もあるが、ヒリヒリする場面でマウンドにあがり安打を許して失点。そんな投球も多く見られ、2軍降格となった。
 勝利の方程式入りを目指して、オープン戦から左右の打者に関係なく対戦しアピールを続けた。同じ中継ぎ左腕の飯田優也や嘉弥真新也に負けるわけにはいかない。今年こそはと迎えた開幕、ここまで渋い投球を見せてくれている。

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