「みんなで粘っていこう」最年長ベテランの言葉に先発陣が奮起! スワローズのGWはどこまで続くか【新・燕軍戦記#23】
4月を終えて13勝15敗1分け、セリーグ5位の東京ヤクルトスワローズに、光明が差してきた。なかなか試合をつくることができずにいた先発投手陣が奮起し、投打の歯車がかみ合って4連勝。大型連休は「スワローズのゴールデンウィーク」の様相を呈してきた。
2016/05/03
新垣の283日ぶり勝利から始まった白星の連鎖
世の中が毎年恒例の大型連休、いわゆるゴールデンウィークに突入した4月29日。ヤクルトの石川雅規は本拠地・神宮球場のお立ち台で、スタンドを埋めたファンに向かって呼びかけた。
「このゴールデンウィークはスワローズのゴールデンウィークにしたいと思いますので、ご声援よろしくお願いします!」
前日の28日はプロ14年目、35歳の新垣渚が昨年7月20日以来の白星を手にし、この日はチーム最年長、36歳の石川が1年ぶりの完封までアウト1つに迫る力投で、今季3勝目。2試合続けてヤクルトの先発投手に勝ちが付くのは、これで今シーズンようやく2度目のことだった。
投手陣、特に先発ピッチャーがこれほどまでに苦しんだのは、ヤクルトにとって大きな誤算だった。4月末時点で、チーム防御率は両リーグワーストの5.14。先発に限れば防御率は5.47で、クオリティ・スタート(QS)を記録した割合を示すQS率は44.8%と、なかなか試合をつくることができなかった。
思わぬアクシデントにも見舞われた。3月31日の来日初先発で5回2失点(自責点1)とまずまずのピッチングを見せた新外国人、カイル・デイビーズは、背中の張りを訴えて2度目の先発を前に離脱。昨年はカムバック賞に輝いた館山昌平も、不調が続いて4月14日に登録を抹消されると、その6日後には右ヒジの手術を受け、しばらくはリハビリに専念。27日には好不調の波が激しかった成瀬善久も二軍降格となり、これで6人の開幕ローテーション投手のうち、3人が一軍ベンチから姿を消すこととなった。
4月20日の阪神戦(甲子園)では、その穴を埋めるべく一軍に昇格した山中浩史が6回1失点の好投で勝利投手になったものの、その後は24日の中日戦(ナゴヤドーム)に先発したドラフト1位ルーキー、原樹理を除いてQSはなし。26、27日の広島戦(神宮)では先発が早々に崩れ、24日から3連敗で借金は今季最多タイの5。首位・巨人との差は6ゲームにまで広がっていた。