ライオンズ坂田、開眼した「2ストライクからの打撃」。ケガに泣き続けた男、再ブレイクの時
毎年期待されながら、不運な怪我が重なり不本意なシーズンが続いた西武の坂田遼。今季、ようやくレギュラーの座をつかみかけている。
2016/05/01
2ストライクに追い込まれても結果を出せる理由
期待を背負い続ける左打者は消化不良のシーズンを重ね、気づけば30歳になる年を迎えていた。当然、本人には秘めるものがある。
「毎年ホント、変なケガばかりしてきました。防げない、わけのわからないケガばかりなので。肉離れとか、そういうケガはまだありません。だから今年はケガをせず、1年間出ることが一番の目標です」
打席に立ちさえすれば、ある程度の結果を残せる自信がある。ここ数年で、打撃の感覚が変わってきたとも感じている。
「初球から振っていくときは完全に張っている球ですけど、追い込まれたら、来た球に反応しています。プロに入った頃は、2ストライクに追い込まれたら空振りばかりでした。追い込まれてからのバッティングは、ここ数年でやっとできてきたかなと思います。一番大きいのは経験ですね」
配球の読みとバットコントロールを高めてきたからこそ、2ストライクからでも結果を残せるようになったのだろう。つまり坂田は、状況に応じた対応力を高めた。坂田にとって「来る球に反応する」とは、投げ込まれるボールに無心で打ちにいくわけではなく、周到な準備をするからこそ可能になる。
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