「うちのヒロミが開幕投手」。伊藤大海、エースとしての飛躍を!【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#221】
3月29日、開幕投手を務めるのは伊藤大海だ。ルーキーイヤーから先発ローテーションの一角として活躍してきたが、2024年はいよいよ柱として働きが求められる。
2024/03/17
産経新聞社
開幕に向けて順調な仕上がり
開幕戦まで2週間、14日のオープン戦・広島戦(@エスコン)に伊藤大海が先発登板した。ご存知の通り、ファイターズの2024年開幕投手である。屋根を閉じたエスコンフィールドと、本番のZOZOマリンはだいぶ感覚的に異なると思うが、実戦のなかで感覚的なものを確かめる機会だった。当然、メディアもファンも大注目だ。
内容的には5回73球投げて被安打6、三振5、失点2である。売り出しのカープ田村俊介にホームランを喫し(田村はこの日、4打数3安打、2ホーマー3打点の大当たり)、打たれた印象の方が残ってしまったが、最初のうち引っ掛かっていた変化球を修正し、途中からは狙ったところで三振が取れていた。試運転としては上々ではないか。特筆すべきは四球がひとつもなかったところだ。新庄監督も「もうもう全然。今日はもう打った田村君」と合格点のコメントを出している。
たぶんもういっぺん投げて本番ということになるはずだが、急激に実感がわいてきた。伊藤大海が開幕投手を務める。そんなの去年、早々と発表されてたことだが、広島戦のマウンドを見て、いよいよこれは本当に開幕投手だぞとドキドキしてきたのだ。読者の皆さんも一度、声に出して言ってみてほしい。「うちのヒロミが開幕投手」。こう、ニマ~としてしまう。おいおい大海、そこまで来たのかい。頑張ったなぁ、開幕投手だぞ、球団史に残るぞ。率直に言って、むちゃくちゃ楽しみだ。
伊藤大海はルーキーイヤーから大活躍で、去年なんかWBCの舞台にも立って、もうそれは素晴らしいピッチャーなのだ。今月7日のオープン戦(@鎌ケ谷)で驚いたのは大海が鎌スタ初登板であったことだ。いかにずーっと1軍の戦力であり続けたかということ。順調にステップアップして、ついに開幕投手の栄誉を勝ち獲ったと客観的には言える。ただ二番手三番手の主力投手と、エースローテで回る開幕投手は意味合いが違う。僕はここで大海に飛躍してほしいのだ。端的に言えば「上沢直之が米球界挑戦でいなくなったから」でなく、自らの力で、自らの全存在をかけて、この大役に挑んでほしい。