2016年版・秋山翔吾、1番打者として2つの変化。「記録男」から「貢献度の高い選手」へ
昨年はシーズン最多安打記録を更新した埼玉西武ライオンズの秋山翔吾。今季のこれまでの打撃成績を見ると、ある変化に気づく。
2016/04/30
昨年と数字の内容に変化
昨年、シーズン最多安打のNPB新記録を達成した秋山翔吾は、4月29日終了時で、打率.298で9位につけている。可もなし不可もなしと言うところだろう。
しかし詳細にその成績を見てみると、昨年とはかなり内容が変わっていることがわかる。
今年の秋山はリーグ2位の26もの四球を選んでいるのだ。1位は昨年、秋山と首位打者争いを演じた柳田悠岐の29、柳田はこのペースで四球を選ぶとNPB記録158四球を大きく上回る173四球を記録する勢いだが、秋山も138四球に達する。
昨年、柳田と秋山は打率で激しいデッドヒートを演じた。2015年の秋山は、元阪神のマット・マートンが2010年にマークした214安打を抜く216安打を放った一方で、四球数は60個にとどまった。このため、総出塁数(安打+四死球)はリーグ2位だった。
2015年のパ・リーグ総出塁数3傑だ。
1. 柳田悠岐(ソフトバンク) 284(182安打88四球14死球)
2. 秋山翔吾(西武) 280(216安打60四球4死球)
3. 浅村栄斗(西武) 226(145安打69四球12死球)
四球が少ない=打数が多いということだ。打率の計算上、打数は分母になる。打数が多いと、安打を打ってもなかなか打率は上がらない。
昨年の最終成績で、柳田悠岐の1安打あたりの打率は.00199、秋山は.00166。最多安打記録を作りながら、秋山が首位打者を取れなかったのは、打率を上げるうえで効率が悪かったことが大きい。