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「21Uの日本の投手陣は素晴らしい」――台湾のスポーツ記者が見た日本野球

 IBAF主催の野球21Uワールドカップは、11月7日に1次ラウンドが開幕、13日には2次ラウンドに進んだ。日本は一次ラウンド4戦全勝でAグループトップ、2次ラウンドも韓国を下して5戦全勝。11月15日には、同じく4戦全勝でBグループトップ、2次ラウンドでオーストラリアを下したチャイニーズ・タイペイとの全勝対決を迎えた。結果は6-2で日本の勝利(その後同一カードとなった決勝戦ではチャイニーズ・タイペイに敗れた)。日本が勝利した試合後、台湾の四大紙の一つである蘋果日報(ひんかにっぽう)の記者に日本野球の印象を聞いた。

2014/11/20

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Koh Hiroo



台湾で野球は人気が高いスポーツ。しかし観客動員に結びついていない

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――今日の試合は、たくさんのお客さんが入りました。21Uというマイナーレベルの戦いなのに盛り上がっていましたね。

 台湾には野球ファンはたくさんいるが、台湾のプロリーグ(CPBL)は何度か問題を起こしたのでお客を集めることができない(筆者注:1989年に発足した台湾プロ野球はこれまで何度も野球賭博事件を起こしている。球団、リーグの離合集散も激しい)。
 しかしWBCなどの国際大会でチャイニーズ・タイペイが活躍すると、お客が入る。明日の決勝戦(同じく日本対チャイニーズ・タイペイ戦)もたくさんお客が入ることだろう。

 台湾ではMLBの試合も放映しているし、昨年からはパリーグの試合も放映するようになった。陽岱鋼のいる日本ハムの試合は毎試合放送している。

 野球ファンはたくさんいるのだが、球場に来ない。CPBLはファンを球場に呼ぶ努力が必要だろう。
 台湾プロ野球が不祥事を起こすと少年野球のチーム数が減る。逆に国際大会で活躍するとチーム数がすごく増える。CPBLはそういうことも考えるべきだろう。

 難しい問題だが、台湾ではプロ野球とアマ野球の仲が良くない。一緒にやろうとしていない。今回の日本はプロとアマが協力して選手を出しているが、台湾はそういうふうにはなっていない。

――台湾ではアマチュア野球からMLBのマイナーに挑戦する選手が多いですが、それはプロ野球に魅力がないからでしょうか?

 それは違うと思う。お金の問題だ。大きなマネーが動けばMLBやNPBに行こうとする。ただ、最近はMLBのマイナーで台湾人選手が活躍できないので、徐々にCPBLに入る高卒、大卒の有力選手が出てきている。

――日本の選手のファンは多いですか?

 日本でも人気があるようなトップクラスの選手は台湾でも人気がある。ただ、普通の選手の知名度はそれほど高くない。

 特にMLBに挑戦した日本人選手は、台湾でもよく知られている。イチロー、ダルビッシュ、田中将大、松井秀喜など。
 アメリカに挑戦する選手は、台湾でも注目度が高い。

――台湾野球と言えば、派手な応援でも有名です。

 (笑)。今日の応援は、ごくノーマルだ。本当にすごい応援が見たいのならLamigoモンキーズの応援をぜひ見てほしい。

――日本のプロ野球と台湾や韓国のプロ野球が一緒にやろうという動きも一部にはあります。アジア構想についてどう思いますか?

 数年前からそういううわさはある。シーズン中に交流戦をするとか、いろいろな話があったが、結局、実現したのはアジアシリーズだけ。それも今年は開催できなかった。
 サッカーのFIFAのようなしっかりした組織を上に作らないと実現は難しいだろう。

 日本などアジアの国々と一緒に野球を盛り上げていけたら良いと思う。そのためにも、日本の皆さんが台湾の野球のことをもっと知ってほしい。

――お忙しい中、ありがとうございました。

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