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坂口智隆、蘇った選球眼の良さ。ヤクルト打線の課題「1番」へ完全定着なるか

今季オリックスからヤクルトに入団した坂口智隆。過去、最多安打のタイトルも獲得した巧打者が再び輝きを取り戻しつつある。

2016/05/02

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際立つ選球眼の良さ

 近鉄時代を含め13年間プレーしたオリックスを退団し、今季からヤクルトのユニフォームを着ることになった坂口智隆。セリーグへ移籍し、新たな思いで迎える16年シーズンはオープン戦では全19試合に出場して打率は.415をマーク。その好調を維持したまま開幕を迎えた。5月1日終了時点で、打率は.299。得点圏打率は.310と3割台をキープしている。

 昨季14年ぶりにリーグ優勝を果たしたヤクルトは、1番打者を固定することができなかった。坂口はこのチーム事情にピタリと当てはまったことになる。

 08年からオリックスのレギュラーとして定着してから「1番」が坂口の定位置だった。08年~11年まで4年連続でゴールデングラブ賞を獲得し、攻守にチームに貢献してきた。

 シーズン175安打を放ち最多安打を獲得した11年は、全144試合フルイニング出場を果たし、そのうち140試合が1番スタメンでの起用。この年、打率は.297と惜しくも3割を逃したが、出塁率はリーグ8位の.359、リーグ最多タイとなる7本の三塁打も放った。

 だが、12年に右肩の故障で離脱してからは思うような成績を残すことができなくなった。15年は右肘を故障してわずか36試合の出場に終わり、打率は.262に終わった。強力打線を組んでいたオリックスのチーム状況もあり、「1番・坂口」の名前はスタメンから消えてしまった。

 ヤクルトではリードオフマンとして、かつての輝きを取り戻しつつある。巨人との開幕3連戦こそ6番で起用されたが、4試合目から1番に座ると、そこから6試合連続安打を放ち、そのうち3試合でマルチ安打を記録している。

 打者の選球眼を表す指標として、1三振に要した打席数を示すPA/Kがある。坂口の場合は132打席で11三振。打席数÷三振数で計算され、12.00という高い数字だ。

 オリックス時代、1番打者として起用された08年から12年までの坂口のPA/Kは以下の通りとなっている。

08年 7.64
09年 7.33
10年 8.08
11年 8.45
12年 12.69

 PA/Kの数字は高ければ高いほどボールを見極められる打者とされ、常に7~8以上の数字である坂口はトップバッター向きであるといえる。

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