最強の21U侍ジャパンも見たかった――21Uワールドカップから振り返る日本の課題と収穫
第1回21Uワールドカップが幕を閉じた。プロ・アマ混成で挑んだ今大会、日本は準優勝に終わった。
2014/11/22
ひとつのミスで勝敗が変わる危うさが、成長途上の世代の特徴
11月7日に台湾・台中市を中心に開催された第1回21Uワールドカップが、ホストのチャイニーズ・タイペイの優勝で16日に幕を閉じた。今大会は参加11チームを2グループに分け、Aグループ6チーム、Bグループ5チームで総当たりの一次リーグを実施。その上位3チーム同士が二次リーグを戦い、一次、二次の合計勝率で順位決定戦が行われた。
Bグループの侍ジャパン21U代表は、オーストラリアを9-7、ベネズエラを11-1、オランダを7-2、そしてニカラグアを14-1で破って二次リーグに進出。ここでもチェコに15-0、韓国に1-0、チャイニーズ・タイペイも6-2と7連勝を飾って決勝に駒を進める。
だが、世界一を決める戦いでは2日連続の対戦となったチャイニーズ・タイペイに0-9と完敗し、惜しくも銀メダルですべての戦いを終えた。
若いチームを指揮した平田勝男監督(阪神)は、実感を込めてこう語った。
「7連勝で決勝に進出と、結果の上からは日本の実力が秀でていたと思いがちですが、決してそんなことはありません。オーストラリアとの初戦は、9回に相手のミスから何とか逆転勝ちしました。ただ、あの試合に負けていたら、そのままズルズルといってしまったかもしれない。そのように、ひとつのミスで勝敗が変わってしまう危うさが、成長途上にあるこの世代の特徴でしょう。それがうまく運んで決勝の舞台に立ち、そこでミスにつけ込まれた。最後まで勝たせてやれなかったのは監督として残念ですけど、選手たちは貴重な経験を積んだと感じています」
キャプテンとしてチームを牽引し、大会ベストナイン遊撃手と最優秀守備賞に選出された牧原大成(福岡ソフトバンク)も、悔しさを滲ませながらもきっぱりと言う。
「プロ選手は大事な秋季キャンプの時期にチームを離れましたけど、この大会でもいい経験を積んだと思います。日本代表という緊張感の中でプレーできるチャンスはそうないし、同じ世代の選手のプレーを見たり、話すことで勉強になる部分もあった。また、他国には体格の大きな選手、物凄いパワーを備えた選手もいましたが、日本は総合力で上回った。やはり野球は体の大きさやパワーだけじゃないと再認識できたのも大きかったですね」