巨人岡本和真、19歳スラッガーの現在地――立ちはだかる村田修一の壁【死亡遊戯コラム 】
巨人のベテランで今季意地を見せるのが村田修一だ。ここ近年は移籍組が守る三塁のレギュラーを期待の若手・岡本和真が奪う日は来るのだろうか。
2016/05/07
かつては4番を任された男
村田修一が好調だ。
開幕から全試合サードスタメン出場中で、リーグ9位の打率.317、リーグトップタイの12
二塁打。
もちろん堅実な守備や代名詞の芸術的ゲッツーも健在で8併殺は12球団トップだ。
首位を争う由伸巨人の明るく楽しい「恐怖の7番バッター」として東京ドームを沸かして
いる。
確かに、横浜時代に不動の4番打者として本塁打王を獲得した全盛期の村田の姿はそこに
はない。
今は坂本勇人や長野久義といったクリーンナップを後方支援する背番号25。
「オレがダメでもあいつらがいる。あいつらの才能を発揮させてやればいい。そのために
体を張れるのはオレしかいない」
名作漫画『スラムダンク』の湘北高キャプテン赤木剛憲の台詞である。
阿部慎之助も内海哲也もいない今の巨人1軍で、この役割をできるのは元選手会長の村田
しかいないだろう。
男35歳、松坂世代の生き残りがグラウンドで意地を見せている。
そして、開幕直前までこの村田と三塁のポジションを争ったのが、14年ドラ1内野手・岡
本和真である。
2年目の今季は右の大砲候補としてオープン戦は主に先発起用されるも、18試合(63打
席)で打率.164、0本塁打、3打点。
実に打席数の3分の1にあたる21三振を記録し、開幕直前に2軍落ちとなった。
だがイースタンでは28試合、打率.299、6本塁打、36打点、OPS.909と絶好調。
ルーキーイヤーだった昨季の打率.258、1本塁打、16打点という各成績を5月初旬時点です
でに大きく上回る。
伸び盛りの19歳のスラッガーは、今季中に再び1軍で村田への挑戦権を得ることができる
のだろうか。