楽天・岡島の活躍が、嶋と聖澤の成績に連動――1番打者がもたらす化学反応
東北楽天ゴールデンイーグルスの岡島豪郎の打撃が好調だ。日本一に貢献した2013年と同じように1番打者としての存在感を発揮。そして何よりその前後を任される選手にも影響を与えている。
2016/05/08
昨年大不振も今季復活
キリリとした眉毛に切れ長の目。銀幕スターを連想させる甘いマスクの持ち主。今シーズンは楽天の岡島豪郎が元気だ。
昨年はスランプで多くの女性ファンを悲しませた。しかし、今年はその表情に笑顔が戻っている。出場した全24試合で1番打者を任され、3年ぶりAクラスを狙う「打」の牽引役として活躍中。打率.351はパリーグ1位だ。(成績はいずれも5月6日現在)
プロ5年目を迎えた。白鴎大から2011年ドラフト4位、捕手として入団。イーグルスの歴代生え抜きには珍しく、1年目から理想の成長曲線を描いた。
31試合で先発マスクをかぶった1年目は正捕手・嶋基宏の尻に火をつける活躍をみせ、2年目2013年は後半戦に外野手へ転向。1番・右翼に定着して初の日本一に貢献した。3年目は初の規定打席に到達。チーム最多・リーグ5位の154安打を量産する。昨年は中心選手への脱皮が期待されたが、故障などの影響でまさかのスランプ。打率.168、出場数も41試合と大きく減らしていた。
復活を期す今シーズンはオープン戦からずっと好調だ。指揮官が梨田昌孝監督に変わったことも追い風になっている。経験豊富な名将に早い段階からその才能を見込まれ、昨年は松井稼頭央らと争った定位置を早々に任された。オープン戦15試合中13試合で1番・右翼で先発出場。両リーグ6位の打率.347を叩き出した。
開幕後もその状態をキープ。開幕戦では決勝打を含む4安打3打点のお立ち台行きの活躍、翌日は先制犠飛。4月2日ライオンズ戦ではサイクル安打に王手をかける3安打、同9日ファイターズ戦では全5打席出塁と目覚ましい活躍が続いた。
しかし、同13日ロッテ戦、快進撃が止まった。プレー中に腰を痛めて途中交代し、翌日1軍登録抹消になった。結果的にはこれが怪我の功名。戦列復帰した同26日以降、ギアをさらに一段、二段上げたトップスピードの槍働きが光っている。同日こそ無安打だったが、翌日から8試合連続安打。29日オリックス戦では決勝打を含む3安打でチームを勝利に導き、自身はソフトバンク・内川を抑えて打率リーグ1位に躍り出ると、猛打賞を記録した5月3日ロッテ戦では9回2死2塁、西野勇士撃ちのサヨナラ打を弾き返した。勝利点3はチーム最多である。