巨人・内海、救世主になれるか? 2軍で苦しむベテラン左腕を抜擢した高橋監督の狙い
巨人の左のエースがいよいよ一軍のマウンドに上がることになりそうだ。しかし、二軍で必ずしも安定した投球を見せているとは言い難い。
2016/05/11
ぶっつけ本番が意味するもの
では、内海はこの〝サプライズ起用〟で何も結果を残せないまま終わってしまうのか。必ずしも、そうとは言い切れない。なぜならば、巨人の首脳陣はベテラン左腕の経験値に期待しているからだ。これまで長きに渡ってエースの座に君臨し、数々の修羅場を乗り越えてきた内海だからこそ今回も火事場のバカ力を発揮して窮地を脱する可能性はある。
高橋由伸監督も昨秋の就任当初から、そんな内海をキーマンの1人として再三、実名を挙げてきた。本人もそれは意気に感じて、肝に銘じているはずである。チームのピンチは自分が救わなければならない――。たとえファームでまったく結果が出せていない苦しい現況であっても、責任感の強い内海はそう自分に言い聞かせ、ぶっつけ本番の大舞台でマックスの投球をきっと見せてくれるはず。現役時代から内海の性格を知り尽くしている高橋監督は心の中で、そう確信しているのであろう。
ただし、今季が4年契約最終年の内海にとって次の登板は一軍生き残り……いや、今後の現役生活の行方を占う意味においてもラストチャンスと評していい大一番となりそうだ。イチかバチかの賭けで一軍登板の機会が与えられる元エース左腕は果たして一世一代の投球を満天下に誇示することができるのかが注目される。
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