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中日VのJABAベーブルース杯争奪大会。社会人は渡邉、大野ら大学時代に注目集めた新人が躍動【横尾弘一のプロにつながる社会人野球】

5月1日から4日間にわたり、岐阜長良川球場・大垣北公園球場で第69回JABAベーブルース杯争奪大会が開催され、中日ドラゴンズが優勝。NTT東日本が準優勝を収めた。

2016/05/13

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グランドスラム



神奈川工大時代からプロも注目した渡邉啓太

 岐阜長良川球場、大垣北公園球場を舞台に、5月1日から4日間にわたって開催された第69回JABAベーブルース杯争奪大会は、一軍登録されていない選手で編成された中日ドラゴンズが5大会ぶり3回目の優勝。最優秀選手に遠藤一星内野手、首位打者賞は古本武尊外野手が打率.429で獲得した。

 中日はプロと社会人の交流の一環として、この大会がトーナメントの一発勝負からリーグ戦と決勝トーナメント方式に変わった2006年から参加。2010年から日本選手権対象大会となり、社会人チームが優勝すれば日本選手権への出場権を与えられるようになったため、中日が優勝した場合は、準優勝したチームの所属する地区に日本選手権最終予選の代表枠が1つ増やされるようになった。つまり、今回はNTT東日本が準優勝したので、関東地区の代表枠が4から5になる。

 現在、社会人はプロとの交流戦も活発に行っているが、プロを目指す選手たちにとっては自分の力を知る格好の機会にもなる。また、ゴールデン・ウィークで多くのファンが観戦に訪れることで、緊張感の高い試合が繰り広げられる。

 そんな大会で、豊かな将来性を存分に発揮したルーキーに注目した。その筆頭格は、決勝に先発したNTT東日本の渡邉啓太投手だ。いわき光洋高3年夏は、福島県大会ベスト4。神奈川工科大へ進学すると、2年秋に桐蔭横浜大を9回ノーヒット(タイブレーク方式の延長で敗戦)に抑えてベストプレイヤー賞に選出される。創造工学部ロボット・メカトロニクス学科で体の仕組みも学んだという右腕は、4年秋には5勝をマークして最優秀投手賞に輝き、いわゆる“右肩上がり”の段階でNTT東日本へ入社した。

 髙木 伴(オリックス)、横山弘樹(広島)と、2年続けて投手をプロへ輩出している強豪の一員になると、4月の日立市長杯大会では三菱重工神戸・高砂を完封。鮮烈な社会人デビューを飾り、この大会ではリーグ戦第1戦の先発を任され、中2日で決勝のマウンドにも立つ。1回表に、友永翔太、石川 駿、遠藤一星と社会人出身の上位打線を3者三振に打ち取る最高の立ち上がりを見せ、大場翔太と息詰まる投手戦を展開した。

 力感のあるフォームから鋭く右腕を振り抜き、テンポのよさも目を引く。中盤にスタミナ切れかボールが浮き出したあたりが今後の課題になるのだろうが、都市対抗東京二次予選でも多くの登板機会を得るはずだ。

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