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ホークス寺原、セパ3球団で培ったマウンドさばき。ベテランが強力ブルペン陣にもたらす効果

着々と独走態勢を築きつつあるホークス。投手陣の安定感は12球団随一だ。そして、終盤の大事な局面でマウンドに上がる寺原隼人の存在が光る。

2016/05/14

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緊張を表に出さない

 先発も中継ぎもこなすベテラン右腕だが、今季は中継ぎとしてブルペンに待機している。

 走者を背負った場面での登板も珍しくはない。意識するのは「走者を返さないこと。そのためにも初球の入り方には気を付けています」。中継ぎの役目として、走者を返さず無失点で乗り切ることが求められる。経験上、1球の怖さを知るからこそ、初球からキャッチャーとの呼吸を合わせて慎重に入っていく。

 同じく中継ぎとして活躍する飯田優也は先輩をこう見ている。

「緊張はしているのかもしれないけど、それを表には出さない。チームメイトに動揺を与えないようにしてくれています。しんどい場面でも落ち着いているので、それはすごいなと思います」

 そして、こうも続けた。

「あの高速スライダーを僕も投げてみたいんですよね。寺原さんは140キロ台半ばは出るんですけど、僕はどう頑張っても130キロ台。どうやって投げるのか聞いてるんですけどね……」

 寺原の武器である高速スライダー。後輩からの問いかけに対し、先輩の答えは「思いっきり投げているだけ」。飯田の習得には至っていないようだ。

 落ち着いたマウンドさばきは、先発の経験が生きているのか尋ねてみた。

「中継ぎの経験が先発に生きることはあるけど、逆はそんなにないです。他球団で一通りのポジションをやってきたので、調整の難しさなどはそう感じませんね」

 ベテランらしい答えが返ってきた。それでも毎試合、緊張はしているという。

「マウンドに上がるときはどんな場面でも緊張はしますよ。1アウトを取るまでとかね」

 そんないい緊張感がマウンド上では必要なのかもしれない。

 今季も求められることは多いだろう。先発枚数の多いソフトバンクではあるが、長いシーズン、何が起こるかはわからない。そんなときに頼れるのが寺原だ。オールマイティーな投手として、経験豊富なベテランとして、貫録のピッチングに期待が高まる。

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